もくじ
タイは東南アジアにおける経済の要所であり、日本企業の進出数も非常に多い国です。スムーズなビジネス遂行のためには、現地の地理的状況と、厳格化の傾向にある入国ルールの正確な把握が欠かせません。まずは、タイ出張の「玄関口」となる主要都市と、渡航準備の根幹となる「基本要件」を確認しましょう。
タイ出張では、目的に応じて主に以下の都市・エリアが目的地となります。特にバンコク周辺には、スワンナプーム空港(BKK)とドンムアン空港(DMK)の2つの空港があるため、フライト予約の際は注意が必要です。
| 都市 | 特徴 | 主要空港 |
| バンコク | 経済の中心地。金融、商社、サービス業の本社が集まる都市。 | スワンナプーム国際空港 (BKK) |
| サムットプラーカーン | バンコク近郊の工業地帯。製造業の拠点が多い都市。 | スワンナプーム / ドンムアン (DMK) |
| チェンマイ | 北部の中心都市。近年はIT・クリエイティブ産業も盛んな都市。 | チェンマイ国際空港 (CNX) |
タイの入国管理は、近年デジタル化が進む一方で、書類の不備には非常に厳格です。企業の管理者は、以下の3点を必ず渡航前にチェックリスト化して確認してください。
タイ入国時に、パスポートの有効期間が「6ヶ月以上」残っている必要があります。これに満たない場合、日本での搭乗を拒否されるケースが多いため、期限が1年を切っている場合は更新を推奨します。
パスポートの査証欄(スタンプを押すページ)に、見開きまたは連続で2ページ以上の余白があることが推奨されます。
2025年現在、入国手続きのデジタル化が進んでいます。
タイのビザ制度は、滞在期間と「現地で何をするか」によって厳格に区分されています。特に、単なる「会議」と「現場作業」では必要な手続きが大きく異なるため、注意が必要です。
現在、日本国籍の一般旅券保持者がビジネス目的で渡航する場合、短期間であればビザなし(ビザ免除)での入国が可能です。
滞在許可日数: 2024年7月より、ビザ免除での滞在期間が従来の30日から「60日」へと大幅に延長されました。これにより、30日以内の短期出張であれば、原則として事前のビザ取得は不要です。
対象となる活動: 商談、会議、セミナー出席、市場調査、展示会視察など、いわゆる「付随的業務」に限られます。
入国時の要件:
注意点(ETAの導入): 2025年より、ビザ免除入国者であっても、オンラインで事前に「タイ電子入国承認(ETA)」の申請が段階的に義務化されています。渡航前に必ず申請の要否を確認してください。
60日(※制度変更後の上限)を超える滞在や、現地での実働(機械の修理、工事、技術指導、報酬を伴う労働)が発生する場合は、適切な「ノンイミグラント(非移民)ビザ」の取得が必須となります。
タイ出張でビザは必要?実例でわかる2025年最新制度と準備ガイド
タイの入国規則は予告なく変更されることが多いため、代行業者やSNSの情報だけでなく、必ず以下の公式情報を参照してください。
タイ出張を成功させるためには、出発前の入念な準備が欠かせません。チェックリストを活用して、手続きの漏れを防ぎましょう。
31日以上の滞在や現地での「実労働」が発生する場合、適切なビザまたは緊急業務届(WP.10)の手配が済んでいるか確認しましょう。
外務省の「たびレジ」への登録、および緊急連絡網(現地法人・日本本社・宿泊先)の整備をしましょう。
入国審査で「商用目的」を問われた際に提示できるよう、現地受入企業または本社からのレターを用意しましょう。
デバイス関連の確認

スワンナプーム国際空港に到着してから、空港を出るまでの最新ステップを解説します。特にデジタル入国カード(TDAC)の提示タイミングに注意してください。
飛行機を降りたら、「Arrivals(到着)」または「Immigration(入国審査)」の案内表示に従って進みます。
2025年現在、日本国籍を含む全ての外国籍者は、従来の紙の出入国カード(TM6)ではなく、デジタル入国カード(TDAC)の利用が必須です。
並ぶレーン: 「FOREIGN PASSPORT(外国人旅券)」と書かれたレーンに並びます。
提示するもの:
審査内容: 顔写真の撮影と指紋スキャン(両手)が行われます。入国審査官から「滞在目的(Business?)」や「滞在日数」を聞かれたら、簡潔に答えましょう。
自動ゲートの利用: 日本の一般旅券保持者は、条件により「自動入国ゲート(Auto Channel)」を利用できる場合があります。ただし、初回入国やビザ保持者は有人カウンターへの案内が一般的です。現場の係員の指示に従ってください。
入国スタンプ(または自動ゲート通過)を確認したら、モニターで自分の便名を確認し、指定のターンテーブルへ進みます。万が一、荷物が出てこない場合は、近くの「Lost & Found」カウンターで航空券の半券を提示してください。
最後に税関を通ります。
【重要:免税範囲の厳守】 タイはタバコや加熱式タバコ(アイコス等)の持ち込み制限が非常に厳格です。加熱式タバコは持ち込み自体が禁止(違法)されており、違反すると高額な罰金や没収の対象となります。ビジネス出張者も例外ではありませんので十分ご注意ください。
スワンナプーム国際空港からバンコク市内への移動は、「確実性(時間)」か「快適性(ドア・ツー・ドア)」のどちらを優先するかで選択肢が分かれます。
最も一般的で、荷物が多い場合に最適です。2025年現在、従来の公共タクシーに加え、配車アプリ専用の乗り場も整備されています。
公共タクシー(1階 4番・7番出口付近)
利用方法: 乗り場にある自動配車機(キオスク)で番号札を発行し、指定のレーンへ向かいます。
料金目安: メーター料金 + 空港手数料(50バーツ) + 高速代(実費)。市内中心部まで約400~600バーツ。
配車アプリ「Grab」 / 「Bolt」(1階 4番出口外「Grab Pick-Up Point」)
特徴: 以前は乗り場が不明瞭でしたが、現在は専用ピックアップポイントが公式に設置されています。
メリット: 事前に料金が確定し、アプリ登録済みのクレジットカードで決済できるため、領収書管理が容易です。
渋滞を完全に回避できるため、夕方のラッシュ時間帯(16:00〜19:00)に到着した場合は、鉄道の利用を強く推奨します。
企業のVIP対応や、確実な送迎が必要な場合に利用されます。
2024年から2025年にかけて、タイではアルコール販売規制の緩和や大麻の再規制(事実上の禁止)など、ライフスタイルに関わる法律が大きく動いています。出張者が無意識にトラブルに巻き込まれないよう、最新情報を反映させました。
タイは「微笑みの国」として知られますが、その裏側には厳格な社会ルールや宗教的タブーが存在します。特に2025年現在の最新規制については、日本の常識と異なる点が多いため注意が必要です。
タイにおいて王室は絶対的な存在であり、不敬な言動は「不敬罪」として厳しく罰せられます。
タイの挨拶「ワイ」は、単なるお辞儀ではなく相手への敬意を表す所作です。
ここ数年でルールが激変しているエリアです。特に管理者は出張者へ周知を徹底してください。
アルコールの販売時間: 2025年12月より、長年禁止されていた「14時〜17時」の販売が180日間の試験的措置として解禁されました。ただし、仏教の重要な祝日(禁酒日)は、24時間一切の販売・提供が禁止されます。
大麻の再規制: 2022年に一度合法化されましたが、2025年より再規制が始まりました。現在は「医療・健康目的」に限定されており、娯楽目的の所持や使用は厳しく制限されています。街中に店舗があっても、日本国籍者は日本の法律(大麻取締法)が国外でも適用される可能性があるため、決して関わらないでください。
アイコス(IQOS)を含む電子タバコ・加熱式タバコはタイ国内への持ち込み・所持・使用が全面的に違法です。高額な罰金や拘留の対象となるため、絶対に持ち込まないでください。
タイからの出国時は、空港の混雑や厳格な滞在期限の管理に注意が必要です。最後までトラブルなく出張を終えるためのポイントを整理しました。
スワンナプーム国際空港は、2025年現在も東南アジア最大級のハブ空港として非常に混雑しています。
タイ政府は2025年現在、不法滞在に対して非常に厳しい姿勢をとっています。出張者が「うっかり」で済ませられない重大なリスクです。
仕事用の機材や土産物など、タイ国内で一定額以上の買い物をした場合、7%の消費税(VAT)の還付を受けられます。還付を受けるには 同一店舗で1日2,000バーツ(税込)以上購入し、店舗で「P.P.10」という申請書類を発行してもらう必要があります。
1. チェックイン前: 空港の4階「VAT Refund for Tourists」カウンターで、書類に税関スタンプをもらいます(※これがないと還付不可)。
2.出国審査後: 制限エリア内の還付窓口で現金またはクレジットカードへの返金を受けます。
日本国籍の一般旅券保持者は、スワンナプーム空港の自動出国ゲート(Auto Channel)を利用できます。
参考リンク・公式情報