もくじ
パラグアイは南米大陸の中央に位置する「南米の心臓(Corazón de América)」と称される国です。
近年、ブラジルやアルゼンチンといった近隣の大国と比較して、安定した経済成長率と親日的な国民性、そして低税率などの投資メリットから、日本の製造業や農業関連企業の進出・視察先として注目が高まっています。
パラグアイへのビジネス渡航においてまず理解しておくべきは、日本からの直行便が存在しないという点です。
米国(マイアミなど)や欧州(マドリード)、あるいはブラジルやアルゼンチンの主要都市を経由する長距離移動が前提となるため、余裕を持ったスケジュール管理がプロジェクト成功の鍵となります。
パラグアイ出張において、拠点の中心となるのは以下の2都市です。
| 都市名 | 特徴・役割 | 主要空港 |
| アスンシオン(Asunción) | 政治・経済の中心地、政府機関・主要企業が集中 | シルビオ・ペッティロッシ国際空港(ASU) |
| シウダー・デル・エステ(Ciudad del Este) | 商業・物流の要所、ブラジル・アルゼンチン国境の免税都市 | グアラニ国際空港(AGT) |
日本国籍の出張者がビジネス目的でパラグアイに渡航する場合、「短期滞在(90日以内)」であれば、事前のビザ取得は不要です。
2025年6月1日より、日本とパラグアイの間でIC一般旅券(パスポート)所持者を対象とした相互査証免除措置が実施されています。これにより、商談、契約、市場調査、会議出席などの報酬を伴わない短期ビジネス活動は、査証なしで行うことができます。
ビザなしで入国する際には、以下の条件を満たしている必要があります。
ビザ自体は不要でも、検疫上の理由で「黄熱病予防接種証明書(イエローカード)」の提示を求められるケースがあります。
パラグアイ政府は、特定の黄熱病リスク国(ブラジル、ボリビア、ペルー等)から入国、あるいはそれらの国へ出国する渡航者に対し、接種証明書の提示を義務付けています。
現地法人に長期間出向する場合や、パラグアイ国内の企業から報酬を得る形態の業務に就く場合は、短期滞在の枠組み(ビザ免除)は適用されません。その場合は、事前に「居住ビザ」や「投資家ビザ」等の申請が必要となります。
管理者へのアドバイス 2025年の最新ルールでは、ICパスポートであればスムーズな入国が可能ですが、隣国ブラジルやアルゼンチンを陸路で跨ぐ旅程(シウダー・デル・エステ経由など)を組む場合は、入国・出国スタンプの確認を徹底するよう出張者に指導してください。スタンプの漏れは、不法入国・不法滞在とみなされる最大のリスクです。

飛行機を降りたら「Migraciones」の表示に従って進みます。
入国審査後、ターンテーブルで預け荷物を回収します。荷物の取り違えや紛失が発生した場合は、速やかに航空会社のカウンター(Equipaje Perdido)へ申し出てください。
荷物を持って税関へ進みます。
管理者へのアドバイス 現場での混乱を避けるため、出張者には「入国審査官の前でスタンプが押されたことを確認するまで窓口を離れない」ことを徹底させてください。また、1万ドル以上の現金を持たせることはリスク管理の観点からも避け、法人カード等の利用を推奨します。
シルビオ・ペッティロッシ国際空港からアスンシオン市内(主要ビジネスエリアのビジャ・モラ地区やセントロ地区)までは、車で約30分〜50分程度です。ただし、朝夕のラッシュ時は激しい渋滞が発生するため、移動時間には余裕を持ってください。
ビジネス渡航者に最も推奨される移動手段です。
到着ロビーにある専用カウンターで申し込むタクシーです。
中・高級ホテル(Sheraton, Bourbon, Dazzlerなど)に宿泊する場合、送迎サービスを提供していることがあります。
空港内に大手レンタカー会社のカウンターがあります。アスンシオン市内は運転マナーが荒く、道路標識も不十分な箇所が多いため、自身での運転はおすすめしません。現地に慣れていない場合は、ドライバー付きの車両を手配するのがビジネス上の安全策です。
上記の移動手段についてまとめると以下の通りです。
| 移動手段 | 料金目安 (PYG / USD) | メリット | デメリット |
| Uber / MUV | 約 50,000〜80,000 PYG($7〜$11) | 安価、ルート記録 | Wi-Fi必須、混雑時に捕まりにくい |
| 空港タクシー | 約 120,000〜160,000 PYG($16〜$22) | 予約不要・確実、深夜でも安心 | 料金が高め |
| ホテル送迎 | $25〜$40(ホテルによる) | 安心感とスムーズ | 事前予約が必要、高価 |
※アドバイス:空港から市内へ向かう際、一部のタクシー運転手が「高速道路料金」などを別途請求しようとすることがありますが、基本的には定額料金に含まれています。不安な場合は、乗車前に「Todo incluido?(トド・インクルイド?/全て込みですか?)」と確認するのがスマートです。
パラグアイの物価は、隣接するブラジルやアルゼンチンと比較しても安定して安く、南米で最も生活費を抑えられる国の一つです。特に「食」と「交通」にかかる費用は日本と比較して非常に低く、数分の一程度で済むことも珍しくありません。通貨はグアラニー(PYG)を使用しており、ゼロの桁数が多い通貨ですが、大まかに「10,000グアラニー=約200円」と換算すると感覚が掴みやすいでしょう。首都アスンシオンでは近代的なショッピングモールが増えていますが、地元の市場(メルカド)を利用すれば、驚くような安さで野菜や肉、日用品を手に入れることができます。
パラグアイでの宿泊費は、南米全体で見ても非常にリーズナブルです。首都アスンシオンであっても、日本のビジネスホテル以下の予算でプール付きの立派なホテルに宿泊することが可能です。特にバックパッカー向けのホステルや安宿は充実しており、1泊千円台で泊まれる場所も少なくありません。
日系移民の歴史が長いパラグアイには、イグアス移住地などに「ペンション」や「民宿」と呼ばれる日本人経営の宿が点在しており、日本食と日本式のお風呂付きで数千円という、日本人旅行者にとっては涙が出るほどありがたい環境が整っています。中級クラスのホテルは機能的で部屋も広く、朝食ビュッフェが付いていることが一般的です。5つ星クラスのラグジュアリーホテルであっても、先進国のホテルと比較すれば破格の安さで利用できるため、少し贅沢をして快適な滞在を楽しむ旅行者も多く見られます。ただし、シウダー・デル・エステのような国境の商業都市では、治安や快適さを考慮して、あまりに安すぎる宿は避けたほうが無難です。
【ホテルのランク別平均宿泊料金表】
| ホテルのランク | 平均宿泊料金(グアラニー/PYG) | 日本円換算目安 | 備考 |
| ホステル・安宿 | 60,000 PYG ~ 100,000 PYG | 約1,200円 ~ 2,000円 | ドミトリーや簡易個室、朝食付きも多い |
| 日系民宿・ペンション | 100,000 PYG ~ 180,000 PYG | 約2,000円 ~ 3,600円 | イグアス移住地など、日本食が楽しめる |
| 3つ星ホテル(中級) | 200,000 PYG ~ 350,000 PYG | 約4,000円 ~ 7,000円 | アスンシオン新市街、清潔で快適 |
| 5つ星ホテル(高級) | 500,000 PYG ~ | 約10,000円 ~ | プール・ジム完備、国際ブランドなど |
※為替レートは10,000グアラニー=約200円で換算しています(レートは変動します)。
その他のエリアの情報や出張関連の情報を確認したい場合はこちらをご覧ください。
【2026年最新】世界の主要都市ホテル相場|海外出張の宿泊費目安リス
パラグアイの食文化を語る上で外せないのが「牛肉(アサード)」の安さと美味しさです。スーパーマーケットでは1キログラム数百円で良質な牛肉が売られており、レストランでステーキを食べても日本のファミレス程度の価格で本格的な肉料理が楽しめます。街中の食堂(コメドール)では、ワンプレートの定食が数百円で提供されており、現地の労働者や学生の胃袋を満たしています。また、国民的飲料である「テレレ(冷たいマテ茶)」は、街中の至る所で専用のポットを持った人々を見かけるほど普及しており、ハーブ代や水代はタダ同然の安さです。
移動手段については、路線バスが市民の主要な足となっており、運賃は非常に安価です。バスにはエアコンなしの旧型車と、エアコン付きの新型車で運賃が異なるシステムが採用されていますが、いずれも数十円の世界です。タクシーも日本より安いですが、メーターを使わない場合もあるため、配車アプリ「Uber」や「Bolt」を利用するのが一般的かつ安全です。なお、ブラジル国境の街シウダー・デル・エステは免税特区となっており、電気製品や香水などの輸入品が非常に安く購入できるため、南米中から買い物客が訪れます。
【旅行関連・日用品の平均価格表】
| 項目 | 平均価格(グアラニー/PYG) | 日本円換算目安 | 備考 |
| ミネラルウォーター(500ml) | 2,500 PYG ~ 4,000 PYG | 約50円 ~ 80円 | 暑い国なので水分補給は必須 |
| エンパナーダ(軽食) | 3,000 PYG ~ 5,000 PYG | 約60円 ~ 100円 | 揚げ餃子のようなスナック |
| コメドール(大衆食堂) | 15,000 PYG ~ 25,000 PYG | 約300円 ~ 500円 | おかずとご飯のセットなど |
| レストランでのステーキ | 60,000 PYG ~ 100,000 PYG | 約1,200円 ~ 2,000円 | 高級店でのアサード(BBQ)価格 |
| 市内バス(エアコンなし) | 2,300 PYG | 約46円 | 窓全開で走るローカルバス |
| 市内バス(エアコンあり) | 3,400 PYG | 約68円 | 快適な新型車両 |
| タクシー初乗り | 5,000 PYG ~ | 約100円 ~ | アプリ配車(Uber/Bolt)推奨 |
| 牛リブ肉(スーパー1kg) | 30,000 PYG ~ 45,000 PYG | 約600円 ~ 900円 | 骨付きカルビ肉などの目安 |
管理者へのアドバイス
現地のスタッフやパートナーをマネジメントする場合、「指示待ち」の傾向があることを理解しておく必要があります。目標を細かく設定し、こまめな進捗確認を行う「並走型」のコミュニケーションが、パラグアイでの実務を安定させるコツです。
シルビオ・ペッティロッシ国際空港(ASU)では、以下の流れで出国します。
パラグアイでは、以下のケースで「オーバーステイ(不法滞在)」とみなされるトラブルが多発しています。
もし期限を過ぎてしまった場合、空港の出国審査窓口でその場で罰金を支払うことになります。
シウダー・デル・エステからブラジル(フォス・ド・イグアス)へ橋を渡って数時間の打ち合わせに行くような場合でも、「パラグアイの出国」と「再入国」の手続きを省略しないでください。 「ちょっと隣の国へ行くだけだから」という油断が、最終的な帰国時の大きなトラブルに直結します。
※アドバイス: 複数の国を周遊する出張ルートを組んでいる場合、各国の入国・出国スタンプがパスポート上で「線」としてつながっているかを確認するよう出張者に念押ししてください。スタンプの押し忘れが発覚した場合は、速やかに現地の日本大使館へ相談し、対応を仰ぐのが最善です。
その他のエリアの情報や出張関連の情報を確認したい場合はこちらをご覧ください。
出張手配・管理にお困りの企業様向け:出張支援クラウド BORDERのサービス概要資料を無料配布中です。
■出張手配のムダを省く!BORDERのすべてがわかるサービス紹介資料

出張支援クラウド BORDERを活用して、出張業務の効率化とコスト削減を実現しませんか?
※フォーム入力は1分で完了します