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【2026年最新】香港出張完全ガイド:ビザ要件・渡航前チェックリストを解説
【2026年最新】香港出張完全ガイド:ビザ要件・渡航前チェックリストを解説

香港出張の概要

香港は「アジアの金融・物流のハブ」として、日本企業にとって極めて重要なビジネス拠点です。狭いエリアに機能が凝縮されているため非常に効率的な出張が可能ですが、入出境ルールや現地インフラは常にアップデートされています。

円滑な出張を実現するためには、まず香港の地理的特性と、渡航の根幹となる法的要件を正しく把握することが第一歩となります。

ビジネス渡航で想定される主な都市・空港

香港は大きく分けて「香港島」「九龍(カウルーン)」「新界(ニューテリトリー)」の3つのエリアで構成されています。

香港国際空港(HKG / 赤鱲角:チェクラップコク空港)

世界屈指のハブ空港であり、日本からの直行便のほとんどがここに到着します。市内中心部へは「エアポートエクスプレス」を利用して約24分という抜群のアクセスを誇ります。

中環(セントラル)・金鐘(アドミラルティ)

香港島側に位置する、世界的な金融機関や法律事務所が集まるビジネスの中心地です。高層ビルが立ち並び、多くの日系企業もこのエリアに拠点を構えています。

尖沙咀(チムサーチョイ)・九龍湾(カウルーンベイ)

九龍側に位置し、貿易、アパレル、物流関連の企業が多く集まります。

深セン(シェンゼン)との境界エリア

製造業やテック企業の出張では、香港を経由して中国本土の深センへ陸路で移動するケースも多く見られます。

出張者が事前に押さえるべきポイント(ビザ、パスポート、有効期限など)

香港は他の国・地域に比べて入国制限が緩やかですが、ビジネス渡航において「うっかりミス」が許されない重要な項目が3点あります。

項目内容・注意点
ビザ(査証)90日以内の滞在であれば、日本国パスポート保持者はビザ不要です。ただし、現地での「就業(給与が発生する労働)」には就業ビザが必要となるため、商談や会議出席の範囲を超えないか確認が必要です。
パスポート有効期限香港入国時に「滞在予定日数+1ヶ月以上」の有効期限が残っている必要があります。ただし、不測の事態(滞在延長など)を考慮し、残り6ヶ月以上の状態で渡航するのがビジネス上のリスク管理として推奨されます。
入国カード以前は紙の入国カードが必要でしたが、現在は段階的にデジタル化が進んでいます。最新の運用状況(e-Channelの利用可否など)を直前に確認しましょう。

日本人出張者のビザ要件

香港はビジネスフレンドリーな入国管理制度を維持しており、日本からの一般的な出張であれば手続きは簡素です。しかし、現地で「報酬を得る活動」を行う場合や、長期滞在になる場合は、厳格なビザ申請が求められます。

短期商用(90日以内)のビザ要否と条件

日本国籍のパスポートを保持している場合、90日以内の短期滞在であればビザ(査証)なしで入国が可能です。

  • 対象となる活動: 商談、契約締結、会議への出席、展示会への参観、市場調査など。
  • 滞在許可日数: 最大90日間。
  • 条件: 香港内での就労(現地企業から給与を得る、または実務作業に従事する)を行わないこと。また、帰路の航空券を所持していることが前提となります。

注意: 2026年現在、以前は必要だった「出入国カード(紙)」の提出は、多くのケースでデジタル化または簡略化されています。ただし、入国時に渡される「入境ラベル(スリップ)」は、滞在期限を証明する唯一の書類ですので、出国時まで大切に保管してください。

30日超・就業目的・駐在の場合に必要なビザの種類の概要

滞在が90日を超える場合や、現地で「働く」実態がある場合は、適切なビザの取得が義務付けられています。

ビザの種類主な対象者・目的
就業ビザ(General Employment Policy)駐在員や現地採用者が取得する最も一般的なビザです。学歴や専門スキル、現地での給与水準が審査対象となります。
投資ビザ(Investment Visa)香港で起業する、または事業に投資して経営に参画する場合に必要です。事業計画の妥当性や経済への貢献度が重視されます。
研修ビザ(Training Visa)最大12ヶ月まで、特定の技術や知識を習得するための研修目的で滞在する場合に適用されます。
家族ビザ(Dependent Visa)就業ビザ保持者の配偶者や子を同伴させる場合に必要です。このビザでも香港内での就労が認められる点が大きな特徴です。

ビザ情報を確認すべき公式窓口

ビザの規定は、国際情勢や政策により予告なく変更されることがあります。渡航計画を立てる際は、必ず以下の公式情報源を確認してください。

香港特別行政区政府 入境事務処(Immigration Department)

https://www.immd.gov.hk

ビザ全般を管轄する機関です。最新の申請要件や電子ビザ(e-Visa)の申請・照会が可能です。

香港経済貿易代表部(Tokyo)

https://www.hketotyo.gov.hk/japan/jp

日本国内における香港政府の窓口です。ビジネス投資や人材誘致に関する相談、一般的なビザ情報の提供を行っています。

中華人民共和国大使館・領事館

http://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/

日本国内でのビザ申請手続き(特に外交・公用など)を行う場合の公式窓口となります。

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

香港出張を成功させるためには、渡航直前のトラブルを防ぐ「トラブルを防ぐための事前準備」が欠かせません。出張者と企業の管理者がそれぞれ確認すべき項目を整理しました。

パスポート残存有効期間・空白ページなどの必須条件

パスポートに不備があると、空港のチェックインカウンターで搭乗を拒否されるリスクがあります。

  • 残存有効期間: 香港入国時に「滞在予定日数+1ヶ月以上」の有効期間が必要です。ただし、ビジネス上の急な予定変更や、近隣諸国(中国本土やマカオ)への移動の可能性を考慮し、残り6ヶ月以上ある状態が望ましいです。
  • 査証欄の余白: 香港はスタンプではなく「入境ラベル(スリップ)」が交付されますが、万が一に備え、見開きで1〜2ページ以上の空白ページがあることを確認してください。
  • 損傷の確認: ページが破れている、水濡れ跡がある、ICチップが反応しないなどの損傷がある場合、入国を拒否されるケースがあります。心当たりがある場合は早めに再発行を検討しましょう。

渡航目的別に必要になり得る書類(招へい状、在職証明、往復航空券、ホテル予約など)

ノービザ滞在であっても、入国審査官から「滞在の正当性」を問われることがあります。以下の書類をデジタル(スマホ内)だけでなく、紙の控えとしても持っておくとスムーズです。

  • 往復航空券(または第三国への出国航空券): 短期滞在の場合、不法残留の意思がないことを示すために必須です。eチケット控えを用意しましょう。
  • ホテル予約確認書: 滞在先が不明確だと審査が厳しくなることがあります。
  • 招へい状(Invitation Letter): 現地の取引先や支社から発行されたもの。特に技術指導や特殊な商談の場合、身分を証明する強力なツールになります。
  • 在職証明書(英文): 自社が渡航費用を負担し、身分を保証していることを証明するために有効です。

企業側が確認しておくべき社内手続き・規程(出張規程、危機管理・保険など)

管理者は、社員の安全確保とコスト管理の観点から以下の点をチェックしてください。

  1. 出張規程の再確認: 香港の物価(特に宿泊費)は世界的に見ても高騰しています。既存の「宿泊費上限」が現在の香港のホテル相場と乖離していないか確認し、必要に応じて実費精算などの特例を認めましょう。
  2. 危機管理情報の共有: 外務省の「たびレジ」への登録は必須です。また、万が一の際の緊急連絡先(現地法人、日本大使館、保険会社のサポートデスク)をまとめた「緊急連絡先リスト」を渡航者に持たせてください。
香港入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

香港入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

香港国際空港は非常に効率的な設計がされていますが、近年、手続きのデジタル化が進み、以前の渡航時とはルールが異なっている点に注意が必要です。

入国審査(Immigration)での流れと注意点

飛行機を降りたら「Immigration(入境事務処)」の表示に従って進みます。

  • 入国カードの提出は不要: 2024年10月より、これまで必要だった紙の「出入国カード(Arrival Card)」の提出は完全に不要となりました。現在はパスポートを提示するだけで審査が行われます。
  • 「入境ラベル」の受領: 審査が終わると、パスポートにスタンプは押されず、滞在期限が記載された小さな白い紙(Landing Slip / 入境ラベル)が渡されます。このラベルは香港滞在の法的証明書です。ホテルのチェックイン時や、万が一の警察の職務質問時に必要となるため、出国時までパスポートと一緒に大切に保管してください(紛失した場合は入境事務処での再発行手続きが必要になります)。
  • e-Channel(自動ゲート)の利用: 頻繁に出張する方は、一定の条件(過去12ヶ月間に3回以上の入国など)を満たすと、自動ゲート「e-Channel」の利用登録が可能です。登録後は列に並ばずスピーディーに入国できます。

荷物受け取り・税関申告(多額の現金・申告品がある場合のポイント)

荷物を受け取った後は、税関(Customs)を通ります。香港はフリーポート(自由港)ですが、特定の品目には厳しい制限があります。

  • 現金の持ち込み制限: 12万香港ドル(または相当する外貨)以上の現金や小切手等を所持している場合は、必ず「レッドライン(申告あり)」へ進み、書面で申告してください。申告を怠ると、多額の罰金や没収の対象となります。
  • たばこ・アルコールの制限: 特に注意が必要なのが「たばこ」です。免税範囲は「紙巻きたばこ19本まで」と非常に少なく、1箱(20本)持っているだけで厳密には申告対象です。
  • 持ち込み厳禁品: 電子たばこ・加熱式たばこは、香港内への持ち込み自体が法律で禁止されています(刑罰の対象)。また、CBD製品も「危険ドラッグ」と見なされ厳しく取り締まられているため、絶対に持ち込まないよう注意してください。

入国時トラブルを避けるための注意事項

スムーズなビジネスのスタートを切るために、以下のリスクを回避しましょう。

オーバーステイの未然防止

ノービザの90日は「入国の翌日」からカウントされます。稀に入国審査官のミスで短い日数で処理されるケースがあるため、受け取った「入境ラベル」の期限が正しいか、その場で必ず確認してください。

ビザ条件の不一致

「商談」ではなく、現地での「設備据え付け作業」や「長期的な技術指導」を行う場合、一般的な訪問者(Visitor)枠では認められず、トラブルになる可能性があります。実作業を伴う場合は、事前に「就業ビザ」の要否を現地法人と精査しておくべきです。

パスポートのICチップ不具合

キズや汚れでICチップが読み取れないと、有人カウンターで大幅に時間を取られるだけでなく、不法入国防止の観点から厳しい確認を受けることがあります。

空港から市内までの移動手段

香港国際空港から市内中心部までは約35km離れていますが、インフラが非常に整っているため、移動は極めてスムーズです。スケジュールや予算に応じて、最適な手段を選択しましょう。

香港(HKG)から市内への主な移動手段

エアポートエクスプレス(機場快綫 / AEL)

特徴: 最も速く、確実な移動手段です。渋滞の心配がなく、車内では無料Wi-Fiや充電ポート(先頭・最後尾車両)も利用可能。ビジネスマンに最も選ばれている最も一般的な選択肢です。

主要駅: 青衣(チンイー)、九龍(カウルーン)、香港(ホンコン)駅。

タクシー(的士)

特徴: ホテルやオフィスへ直接向かいたい場合に便利です。香港のタクシーは行き先エリアによって色が分かれています。市内の主要エリア(中環や尖沙咀など)へ行く場合は、必ず「赤色(市區的士)」のタクシー乗り場へ進んでください。

配車サービス(Uber)

特徴: 香港ではUberが広く普及しています。あらかじめ行き先を指定でき、クレジットカード決済が可能なため、現金の持ち合わせが少ない場合に重宝します。空港には専用のピックアップポイントが設けられています。

料金目安・所要時間のイメージと、深夜到着時の注意点

各交通手段の目安を以下の表にまとめました。

移動手段料金目安(1HKD=約20円換算)市内への所要時間備考
エアポートエクスプレス約115〜130HKD(約2,300〜2,600円)約24分香港駅・九龍駅から主要ホテルへの無料シャトルバスもあり
タクシー約300〜400HKD(約6,000〜8,000円)約30〜50分トランクの荷物1個につき6HKDの追加料金あり
Uber約300〜450HKD(約6,000〜9,000円)約30〜50分需給により変動。Blackなど車種選択が可能
深夜バス(N系統)約25〜50HKD(約500〜1,000円)約60〜90分コスパ重視。深夜0時半〜早朝まで運行

深夜到着時の注意点

  • 終電時間: エアポートエクスプレスの空港発・最終便は深夜0時48分です。これ以降に到着する場合は、タクシーまたは「N」から始まる系統の深夜バスを利用することになります。
  • 深夜割増: 香港のタクシーには、日本のような深夜割増料金の設定がありません。 24時間同一料金で利用できるため、深夜便の到着時にはタクシーが非常に便利です。
  • 決済手段: タクシーは依然として「現金払い」が主流(一部アプリ経由で決済可)です。空港内のATMや両替所で、ある程度の香港ドルを用意しておくことをお勧めします。

香港の物価相場

香港は世界有数の金融都市であり、物価・家賃ともに世界トップクラスの高さで知られています。特に円安の影響もあり、日本人出張者にとっては「何を買うにも高い」と感じるのが現状です。

特に宿泊費は非常に高騰しており、東京のビジネスホテルと同じクオリティを求めると、倍以上の予算が必要になります。

※レート目安:1香港ドル(HKD)≒ 19〜20円前後で換算(変動あり)

ホテルの宿泊相場(香港島・九龍半島)

香港のホテルは「価格が高い」だけでなく、土地不足のため**「部屋が非常に狭い」**のが特徴です。

数年前の感覚(1泊1.5万円〜2万円)では、衛生面やセキュリティに不安のある雑居ビル内の宿や、郊外のホテルしか選べない可能性が高いため注意が必要です。

ホテルランク相場(1泊/1室)特徴・目安
ラグジュアリー
(5つ星)
80,000円〜マンダリンオリエンタル、ペニンシュラ、リッツカールトンなど。
世界最高峰のサービスだが価格も青天井。役員クラスでも予算調整が必要。
アップスケール
(高級ビジネス)
40,000円〜60,000円マリオット、シェラトン、日系(ニッコー等)の標準客室。
立地が良く、デスクワークができる広さが確保されるライン。
管理職以上の出張で推奨されるレベル。
スタンダード
(一般ビジネス)
25,000円〜35,000円アイビス、ホリデイ・イン、現地チェーンなど。
清潔だが、部屋は15㎡前後と非常に狭いケースが多い。
スーツケースを広げるスペースがない場合もある。
エコノミー20,000円以下雑居ビル内のゲストハウスや、中心部から離れたエリア。
窓がない部屋も多く、ビジネス用途としては非推奨。

日用品・飲食費の物価相場

ローカルな食堂(茶餐廳)を除き、ビジネスエリアでの飲食費は東京よりもかなり高額です。

飲食費(ビジネス利用)

  • ランチセット: 2,000円〜3,500円(100〜180 HKD)。金融街などのビジネスエリアでは、簡単なランチでも2,000円を超えます。
  • カフェ(コーヒー1杯): 800円〜1,000円(40〜50 HKD)。スターバックスや現地のカフェチェーンの価格帯です。
  • 夕食(会食・接待): 15,000円〜 /人。お酒を伴うきちんとしたレストランでの夕食は非常に高価です。サービス料(10%)も加算されます。
  • ローカル食: 1,000円〜1,500円。麺やお粥などのローカル店であれば比較的安価ですが、接待や落ち着いた食事には不向きです。

交通費

  • タクシー(初乗り): 約550円(29 HKD〜)。タクシー(赤色)は、物価に対して比較的安価で利用しやすい移動手段です。ただし、英語が通じないドライバーも多いため、行き先を広東語で見せる準備が必要です。
  • MTR(地下鉄): 約100円〜。公共交通機関は安くて正確です。ICカード「オクトパスカード(Octopus)」が必須です。

コンビニ・日用品

  • ミネラルウォーター: 150円〜200円。香港の水は硬水が多く、そのまま飲むのは推奨されません。
  • ビール(350ml缶): 250円〜400円。酒税がかからないため、アルコール類は飲食店以外(スーパー等)で買うと比較的安価です。

海外ホテルの価格推移や平均相場が知りたい方はこちらをご覧ください。

【2026年最新】世界の主要都市ホテル相場|海外出張の宿泊費目安リスト

 

滞在中の注意点(ビジネス慣行・ルール)

香港は国際的でオープンなビジネス環境ですが、独自の商習慣や、近年特に厳格化されている公共ルールが存在します。

ビジネスシーンでの服装・商談マナーの基本

服装:基本的にはスーツ、またはジャケット着用が推奨されます。香港のビジネスマンは外見(身なり)を信頼の指標とする傾向が強く、特に金融・法律・大手企業との商談では保守的な正装が無難です。 夏季(5月〜9月)の屋外は酷暑ですが、ビル内や乗り物は「冷房が非常に強い」ことで有名です。外気に合わせた薄着のみだと体調を崩すため、夏場でもジャケットや薄手の羽織ものを常に用意してください。

挨拶: 挨拶は英語で行い、握手を交わすのが一般的です。

名刺交換: 日本と同様、両手で差し出し、両手で受け取ります。受け取った名刺はその場ですぐにしまわず、商談中は机の上に並べておくのがマナーです。相手の役職を尊重し、発音が不明な場合はその場で確認すると丁寧な印象を与えます。

宗教・法律上の禁止事項(飲酒、公共の場での振る舞い等)

香港は非常にクリーンで規律に厳しい都市です。特に2026年より規制が強化された項目には注意が必要です。

喫煙ルールの厳格化(2026年最新情報)

公共の場での喫煙に対する罰則が大幅に強化されました。

罰金: 禁煙区域での喫煙は、従来の1,500HKDから3,000HKD(約6万円)へ倍増しました。

区域: 屋内は原則全面禁煙。屋外でもバス停などの「列に並んでいる間」の喫煙が新たに禁止されています。

持ち込み: 電子タバコ・加熱式タバコの所持・使用は禁止されており、没収だけでなく刑罰の対象となります。

飲酒と公共の場での振る舞い

飲酒自体は自由ですが、路上での過度な泥酔や騒音は取り締まりの対象となります。また、地下鉄(MTR)の車内や改札内での飲食は厳禁(罰金対象)ですので、一口の飲み物でも控えるようにしましょう。

企業として事前に共有しておきたい行動ルール

出張者の安全と企業のコンプライアンスを守るため、以下の3点を社内で周知してください。

政治的トピックの回避

ビジネスの場や公共の場では、政治的な議論やデリケートな社会問題に関する発言は控えるのが賢明です。現地パートナーとの信頼関係を維持するためにも、話題はビジネスや経済、文化に留めるよう指導しましょう。

キャッシュレスと現金の併用

「オクトパスカード(交通系IC)」があればほとんどの場所で決済可能ですが、タクシーや一部の飲食店では依然として現金のみのケースがあります。緊急時のために少額の現金を常備するよう伝えてください。

連絡手段の確保(通信

香港は無料Wi-Fiが充実していますが、セキュリティの観点から業務での利用は推奨されません。法人契約のローミングやeSIM、ポケットWi-Fiの準備を必須ルールとしましょう。

出国時の手続きとオーバーステイ対策

滞在最終日までビジネスに集中するためにも、出国手続きの効率化と期限管理は不可欠です。香港の先進的なシステムを活用し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

出国審査の流れと、空港到着の推奨時刻

香港国際空港は非常に効率的ですが、近年は保安検査の強化や旅客数の増加により、手続きに時間を要する場合があります。

出国審査の流れ

  • チェックイン: 航空会社のカウンター、または自動チェックイン機で行います。
  • 保安検査(Security Check): 手荷物検査を受けます。
  • 出国審査(Immigration): パスポートと搭乗券を提示します。入国時と同様、日本国籍者は自動ゲート(Smart Departure)が利用可能で、顔認証により数秒で通過できます。

空港到着の推奨時刻

出発の3時間前の到着を強く推奨します。香港国際空港は非常に広く、搭乗ゲートまでシャトル(APM)で10分以上かかるケースも珍しくありません。

時短のコツ「インタウン・チェックイン

エアポートエクスプレスの香港駅や九龍駅では、当日のフライトのチェックインと荷物預け入れが可能です(一部航空会社を除く)。手ぶらで空港へ向かい、そのまま保安検査へ進めるため、ビジネスマンには非常に有効な手段です。

オーバーステイ時の罰金・再入国への影響の概略

香港当局は、滞在期限の遵守に対して非常に厳格な姿勢をとっています。

罰則の重さ

オーバーステイ(不法残留)は犯罪と見なされます。有罪判決を受けた場合、最大で50,000HKD(約100万円)の罰金および最長2年の禁錮刑が科される可能性があります。

再入国への悪影響

たとえ数日の超過であっても、一度オーバーステイの記録が残ると「ブラックリスト」に載る可能性が高くなります。次回の入国拒否や、将来的な就業ビザ申請の却下など、長期的なビジネスチャンスを失うリスクがあります。

管理の徹底

入国時に渡された「入境ラベル(Landing Slip)」に記載された期限を必ずリマインダーに登録し、1日の超過も出さないよう徹底してください。

滞在延長・ビザ更新が必要になりそうな場合の早期相談ポイント

商談の難航やプロジェクトの遅延により、当初の予定(90日以内)を超えそうな場合は、期限が切れる前のアクションが必須です。

申請のタイミング

滞在延長の申請は、現在の滞在期限が切れる4週間前から受け付けられます。ギリギリの申請は審査が間に合わないリスクがあるため、延長の可能性が出た時点で早めに動くことが鉄則です。

相談先と必要書類

香港湾仔(ワンチャイ)にある「入境事務処(Immigration Tower)」の窓口、またはオンラインで申請します。延長が必要な理由を証明する資料(会社からのレター、帰国便の変更証明など)が必要になります。

企業側の対応

出張者が自力で手続きを行うのは負担が大きいため、現地の法律事務所やビザコンサルタントと連携できる体制を整えておくことが、企業の安全配慮義務としても重要です。

参考リンク・公式情報

香港の渡航ルールやビジネス環境は変化が早いため、出発直前には必ず以下の一次情報(公式機関の発信)を確認してください。

香港政府・行政関連(ビザ・入国規定)

香港特別行政区政府 入境事務処(Immigration Department)

ビザ申請、電子ビザ(e-Visa)、入国規定の最上位ソースです。2024年10月の「出入国カード提出不要」などの最新ルールもこちらで公示されます。

香港経済貿易代表部(Tokyo)

日本国内の公式窓口。ビジネス投資や渡航に関する日本語のガイダンスが充実しています。

香港海関(Customs and Excise Department)

12万香港ドル以上の現金持ち込み申告や、免税範囲(タバコ・アルコール)に関する詳細情報。

日本政府による最新渡航情報

外務省 海外安全ホームページ(香港)

治安情勢、感染症、デモや社会情勢に伴う注意喚起など。

在香港日本国総領事館

現地でのトラブル(パスポート紛失等)の対応や、日本人向けの安全対策マニュアルが公開されています。

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