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出張管理システムの基本:搭載機能や導入メリット、導入プロセスを解説します
本コラムは、出張管理システム(BTM)に関するコラムの第3弾です。
今回は、出張管理システム(BTM)導入するプロセスについて解説します。
出張管理システム(BTM)は、出張費用の適正化や出張業務に係る間接コスト削減に効果的ですが、その効果は、導入に際しての事前準備によって大きく変わります。以下では、効果的を高めるための導入プロセスを記します。
まずは導入に向けてのチーム組成、導入する出張管理システム(BTM)の決定、具体的な導入スケジュールを決定します。
ビジネストラベルは、出張者だけに関わる事象ではなく、出張者の上司、経理部、人事部、購買部など様々な部門に関わる業務です。出張管理システム(BTM)が影響を与える範囲は、それらの様々な部門に及ぶため、部門を超えた横断的なチームの構築が重要になります。
チーム構成後は、現状の課題の把握・分析です。課題を把握することで出張管理システム(BTM)によって改善したい点が明確になります。
BTMにおける提供企業の特徴はそれぞれ異なります。自社の課題を解決するために最も適したBTMを探します。なお、システムの調査にあたっては、提供事業者へのヒアリングを行うとよいでしょう。
導入するBTMが決定したら、導入に向けてのスケジュールを決定します。なお、一般的な目安として、出張件数が10件程度の会社は1カ月、30件程度の会社は2カ月、100件程度の会社は3カ月程度を見ておくとよいでしょう。
BTM導入の全体像が定まったら、具体的な数値目標設定を行います。
まずは既存のトラベルデータを収集します。これまで旅行会社に委託している場合は、当該旅行会社にデータの提供を求めるとよいでしょう。これらのデータをもとに渡航エリアや平均単価などを確認し、具体的なコスト削減額や削減比率を定めます。
上記の目標を達成するために、必要に応じて、航空会社の制限や宿泊費の上限額の見直しを行います。
出張管理システム(BTM)のメリットは直接的なコスト削減だけではありません。間接コストを減らすためにも業務プロセスの見直しを行います。
申請から見積依頼、チケット予約、出張報告、出張精算まで一連のプロセスにおいて、誰がどのような媒体でどういった作業を行っているかを明確にします。
上記により整理された各業務プロセスについて、出張管理システム(BTM)がシステムで対応できる部分を整理します。またシステム対応できない部分についても、スムーズなデータの受け渡しができるよう、申請様式の見直しを行います。
出張管理システム(BTM)の導入は、企業の出張規模により作業量は異なりますが、基本的なプロセスに変わりはありません。導入当初は少々大変ですが、導入後に直接費・間接費の軽減が期待できるため、しっかりとチームを組成して行うことをお勧めします。
出張管理システム導入後の業務プロセスが整理できたら、いよいよ社内浸透に向けた作業に入ります。具体的には出張者向けのマニュアル作成を行いましょう。社内用のWikiがある場合は、ページ内に利用マニュアルをアップするとよいでしょう。また、必要に応じ、出張者向けの利用説明会を実施することで利用者の理解促進を図りましょう。
導入して一定期間が経過したら利用者向けのアンケートを実施し、利用者が管理システムに満足しているかを確認しましょう。また、コスト削減効果も測定しましょう。導入によるメリットが感じられない場合は、それらのデータを基にサービス提供者と打ち合わせすることをお勧めします。