資料ダウンロード(無料)
ログイン

【2025年版】ベルギー出張の準備マニュアル|入国・ビザ・市内移動の徹底解説

投稿日:2024.01.29 / 最終更新日:2025.12.21

ベルギー出張の概要

ベルギーは欧州連合(EU)の主要機関が置かれ、「欧州の首都」とも称されるビジネスの要衝です。日本からは大手企業の欧州拠点が多く設置されており、定期的な出張ニーズが高い国でもあります。円滑な出張を実現するためには、主要都市の地理的関係と、欧州特有の入国ルール(シェンゲン協定)を正しく理解しておくことが不可欠です。

ビジネス渡航で想定される主な都市・空港

ベルギー出張において、主要な玄関口となるのはブリュッセル国際空港(BRU)です。日本からの直行便(ANA)が就航しており、ビジネス利用において最も利便性が高いルートとなります。

都市名特徴・主な産業最寄りのアクセス
ブリュッセルEU本部やNATOが所在。金融、国際機関、各種法人の欧州拠点が集中する政治・経済の中心地。ブリュッセル国際空港より列車で約20分
アントワープ世界最大級の港湾都市。ダイヤモンド取引に加え、化学工業や物流ビジネスの拠点。ブリュッセル国際空港より列車・バスで約30〜40分
ゲントIT・バイオテクノロジー産業が盛ん。歴史的な街並みの中に近代的なビジネスパークが点在。ブリュッセル国際空港より列車で約1時間

出張者が事前に押さえるべきポイント(ビザ、パスポート、有効期限など)

ベルギーへのビジネス渡航では、滞在期間や目的に応じて必要な手続きが異なります。特に「パスポートの有効期限」と「シェンゲン協定」のルールは、直前でトラブルになりやすい項目です。

ビザ(査証)の要否

・短期滞在(90日以内): 報酬を伴わない商談、市場調査、会議出席などの「ビジネス目的」であれば、日本国籍者は原則としてビザ不要です。

・就労: 現地で実務に従事したり、報酬を得たりする場合は、期間に関わらず就労許可が必要になるため注意が必要です。

パスポートの有効期間

ベルギー(およびシェンゲン協定加盟国)への入国には、「出国予定日から3ヶ月以上」の有効期間が残っている必要があります。企業の管理者は、航空券の手配前に社員のパスポート期限を必ず確認してください。

シェンゲン協定の「90日ルール」

あらゆる180日の期間内で最大90日間まで無査証滞在が可能です。近隣の欧州諸国(フランス、ドイツなど)を連続して訪れる場合、合算してカウントされる点に注意してください。

ETIAS(エティアス)について

2025年以降、欧州への入国には事前渡航認証システム「ETIAS」の申請が段階的に義務化される予定です。最新の導入時期については、常に公式情報を確認する体制を整えましょう。

日本人出張者のビザ要件

ベルギーへの出張において、ビザが必要かどうかの判断基準は「滞在日数」と「活動内容」の2点に集約されます。

短期滞在(90日以内)の場合

日本国籍を保持している場合、商談、契約調印、市場調査、会議出席などの「報酬を伴わない業務」であれば、ビザなしでの入国が認められています。

滞在可能期間

あらゆる180日間の期間内で合計90日まで。

入国時の必要条件

  • 出国予定日から3ヶ月以上の有効期間があるパスポート
  • 帰路の航空券(Eチケット)の提示
  • 滞在費用を証明できる手段(クレジットカード等)

注意点

  • ベルギー国内の企業から給与や報酬を受け取る場合、たとえ1日であっても就労許可が必要になる可能性があります。
  • 「30日以内」の出張であれば余裕を持って滞在可能ですが、過去6ヶ月以内に他のシェンゲン協定加盟国(フランス、ドイツ等)に滞在していた場合、その日数も合算されるため注意が必要です。

長期滞在(91日以上)または就労を伴う場合

滞在が90日を超える場合、または期間に関わらず現地で実務作業に従事し「報酬」を得る場合は、適切な就労・滞在許可を得る必要があります。

シングル・パーミット(Single Permit)

現在のベルギーにおける主流な許可形態です。以前は「労働許可」と「居住許可」を別々に申請していましたが、現在は一括して申請するシステムになっています。

  • 対象: 90日を超える長期駐在員や、現地法人での就労者。
  • 特徴: 申請から発給まで4ヶ月以上を要するケースが多く、余裕を持ったスケジュール管理が不可欠です。

タイプDビザ(長期滞在ビザ)

シングル・パーミットの承認後、日本国内のベルギー大使館でパスポートに貼付してもらうビザです。これによりベルギーへの入国と、現地での外国人登録が可能になります。

ETIAS(エティアス)はいつから必要?2026年導入予定の最新情報解説

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

出発直前に慌てることがないよう、企業(管理者)側と出張者個人側の両面から確認すべき項目をまとめました。

【企業・管理者向け】管理項目

  • パスポート有効期限の確認: 出国予定日から「3ヶ月以上」残っているか。
  • 海外旅行保険の加入: クレジットカード付帯保険の場合、補償額が十分か、治療費のキャッシュレス対応が可能かを確認。
  • 英文の「在職証明書」または「出張証明書」の用意: 入国審査で目的を問われた際の証明として、念のため携行を推奨します。
  • 通信手段の確保: 法人契約のWi-Fiルーター、または海外用SIM/eSIMの手配。

【出張者本人向け】準備項目

  • 航空券(Eチケット)の控え: 入国時に帰路の航空券を提示求められることがあります。
  • 宿泊先の住所・電話番号: 入国審査書類や現地での移動時にすぐ参照できるように。
  • クレジットカード2種以上: ベルギーはカード社会ですが、ブランド(Visa/Mastercard)によって使えない場合に備え、予備を持つのを推奨。
  • コンセント変換プラグ(Cタイプ): 日本のAタイプとは形状が異なります。
  • (2025年以降)ETIASの申請確認: 運用が開始されている場合、渡航の72時間前までに申請を完了させておく必要があります。
ベルギー入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

ベルギー入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

ベルギーの玄関口、ブリュッセル国際空港(BRU)に到着してからの流れを解説します。

入国審査(Immigration)

飛行機を降りたら「Arrivals / Immigration」の表示に従って進みます。

  • EES(出入国システム)への対応: 2025年10月12日より、欧州連合(EU)の新たな出入国システム「EES」の運用が順次開始されています。初めての入国時には、専用キオスク等で指紋登録や顔写真の撮影(バイオメトリクス登録)が必要です。
  • 審査官からの質問: ビジネス渡航の場合、滞在目的や期間、宿泊先を問われることがあります。「Business Meeting」や「Technical Support」など、簡潔に答えられるよう準備しておきましょう。

預け荷物の受け取り(Baggage Reclaim)

電光掲示板で自身の便名を確認し、該当するターンテーブルへ進みます。

税関(Customs)

申告するものがない場合は、緑色の「Nothing to Declare」ゲートを通過します。

  • 現金持ち込み制限: 10,000ユーロ相当額以上の現金(または他通貨・有価証券)を持ち込む場合は申告義務があります。

空港から市内までの移動手段

ブリュッセル空港から市内中心部までは約12kmと近く、複数の移動手段があります。

手段所要時間料金(目安)特徴・活用シーン
列車 (SNCB)約20分約12〜13€最も推奨。 市内主要駅(北・中央・南駅)へ10分間隔で運行。渋滞がなく時間が正確です。
タクシー約20〜40分約50€〜荷物が多い場合。 到着ロビー正面に公式乗り場があります。クレジットカード決済が一般的です。
バス (Airport Line)約30〜40分約7.5€EU本部周辺へ行く場合。 12番線が「Schuman」や「Luxembourg」駅を通ります。
Uber / 配車アプリ約20〜40分約40€〜アプリで手配可能。ピックアップポイントが指定されているため、案内に従い移動が必要です。

滞在中の注意点(ビジネス慣行・ルール)

ベルギーは「フランダース(オランダ語圏)」と「ワロン(フランス語圏)」、そして「ブリュッセル(2言語併用)」の3地域で文化や慣習が異なります。相手の背景に配慮した振る舞いが、信頼関係の構築を助けます。

ビジネス・エチケット

挨拶と敬称

 初対面では力強い握手とアイコンタクトが基本です。親しくなると頬にキスを交わす(ビズ)文化もありますが、ビジネスの場では握手で問題ありません。また、相手が「ファーストネームで呼んで」と言うまでは、タイトル(Mr. / Ms.)と名字で呼ぶのが無難です。

時間への厳格さ

ベルギーのビジネスシーンでは、時間は非常に厳格に守られます。会議の5分前到着を心がけ、万が一遅れる場合は必ず事前に連絡を入れましょう。

服装

コンサバティブ(保守的)なスーツスタイルが好まれます。特に金融や公的機関を訪ねる際は、ダークカラーのスーツと磨かれた靴が信頼の指標となります。

言語への配慮

ブリュッセルはフランス語とオランダ語の両方が公用語です。どちらかの言語を優先しすぎず、まずは英語でコミュニケーションが可能か確認するか、簡単な挨拶(Bonjour / Goedendag)を使い分ける姿勢が見せられると非常に好印象です。

チップとマナー

レストランの料金にはサービス料が含まれていますが、良いサービスを受けた際は端数を切り上げたり、5〜10%程度のチップを置くのがスマートです。

出国時の手続きとオーバーステイ対策

欧州出張で最も注意すべきは、シェンゲン協定に基づく「滞在日数の計算」です。

出国手続きの流れ

  1. 空港への到着: ブリュッセル空港は混雑することが多いため、出発の3時間前には到着しておくことを推奨します。
  2. 免税手続き(Tax Free): 高額な買い物をした場合は、チェックイン前に税関(Customs)でスタンプをもらう必要があります。
  3. 出国審査: パスポートと搭乗券を提示します。2025年以降は、入国時と同様にEES(出入国システム)による自動チェックが行われ、滞在日数が正確に記録されます。

オーバーステイを防ぐための管理

シェンゲン圏内では「あらゆる180日間の期間内で合計90日以内」というルールがあります。

企業の管理者がすべきこと

出張者が過去6ヶ月以内に他の欧州諸国(ドイツ、フランス等)へ渡航していないか必ず確認してください。 

ペナルティ

1日でも超過すると、多額の罰金や、今後数年間にわたるシェンゲン圏への入国禁止措置が取られるリスクがあります。これは企業の海外事業継続において大きな損失となります。

参考リンク・公式情報

 5.1.駐日ベルギー大使館
住所: 〒102-0084 東京都千代田区二番町5-4

公式|駐日ベルギー大使館

5.2.在ベルギー日本国大使館
住所: Rue Van Maerlant/ Van Maerlantstraat 1, 1040 Bruxelles/Brussel

公式|在ベルギー日本国大使館

 

出張手配・管理にお困りの企業様向け:出張支援クラウド BORDERのサービス概要資料を無料配布中です。

■BORDERのサービス概要資料のダウンロード

出張支援クラウド BORDERを活用して、出張業務の効率化とコスト削減を実現しませんか?

  • サービスの機能
  • 導入実績・お客様の声
  • 料金プラン

各種資料のダウンロード

BORDERサービス概要資料

出張管理システム選定キット

BORDER導入事例集

BTM(出張管理)のいろは

© Copyright 2025 ボーダー株式会社 All rights reserved.