本コラムでは、出張管理の特徴・効果や導入プロセスに関してシリーズ化してお届けしています。今回は4回目のコラムになります。
前回は、トラベルデータを活用して海外出張経費(航空運賃)を削減する活動に関してお話しました。
今回は、トラベルマネジャーが国内出張における経費(特に、宿泊費用)削減に向け、トラベルデータをどの様に活用しているのかを具体例を交えてお届けいたします。
一般的に、企業は、経費の高額さから海外出張の航空運賃削減に関する検討・活動を優先的に行っています。
他方、国内出張に関する経費、特に宿泊代に関しては、出張費用の削減に向けての活動が十分ではないようです。その為、出張者は定められた宿泊の上限額を最大限に活用して必要以上に高額な宿泊プランを予約したり、QUOカードなどの特典付プランを好んで選択したりすることがあります。なかには、部署ぐるみでこの様な手配を容認している場合もあり、これでは経費(宿泊費)がかさむ一方です。
この種の無駄遣いの解決策は、出張者自身に、宿泊の手配状況は「見られている」という意識が働き、コスト削減に対する意識改革を促すことが考えられます。出張者がそれぞれの方法で予約をするのではなく、企業があらかじめ定めた宿泊プラン、手配ルールをシステムに登録しておき、出張者はその範囲内で宿泊手配ができるサービスや出張管理システムを導入することが重要です。
トラベルマネジャーは、海外出張時の航空運賃削減活動と同様に、国内出張における費用削減検討の場面でも、様々な種類のトラベルデータを蓄積,一元管理し、様々な軸からデータを可視化、分析することで、コスト削減と出張者の利便性向上の両立を図ります。
例えば、以下のアプローチは、全ての企業において有効な検討項目になります。
トラベルマネジャーが会社に蓄積されているトラベルデータを活用することで、出張者に過剰な負荷をかけることなく、出張者がコアビジネスに集中することを可能にするトラベルプログラムを実現、出張関連コストの削減だけでなく、本来の出張の目的である会社利益の拡大に貢献することが可能になります。
国内出張は一回当たりの発生費用は海外出張よりも少ないですが、回数が多く、総額では海外出張よりも多くなる企業が多いため、国内出張こそトラベルデータの分析に伴う出張管理・規程の設定が重要になります。
今回は、トラベルデータを活用して国内出張経費を削減する活動に関してお話し致しました。次回は、海外出張時における出張者の安全管理に関して具体例を交えてお届けいたします。
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参考:Global Business Travel Associationが提供するトラベルマネージャー育成プログラム
The Fundamentals of Business Travel Management