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海外航空券の基本:航空券の種類や購入方法、取消、変更について解説
長距離フライトの場合、目的地までの移動には直行便と乗継便の2パターンあります。そして、乗継便の中には経由便というものもあります。どこかの空港に立ち寄っているのは分かるけど、乗継便と経由便の間には、どのような違いがあるか分からない方が多いのではないかと思います。実際に搭乗する際に迷わないように本記事では、空港での経由と乗継の違いについて解説します。
例えば、羽田からパリに向かう場合、出発地から目的地へ直接向かうフライトと途中で目的地以外の空港に立ち寄るフライトの2タイプがあります。一般的に、前者を直行便、後者を乗継便と言います。
前述の乗継便に関しては、経由便と乗継便の2タイプがあります。両者は共に、目的地以外の空港に立ち寄りますが、立ち寄った際の入国手続きや荷物の取り扱いに違いがあります。以下では、経由便と乗継便の違いを説明します。
最終目的地に向かう途中に別の地点に立ち寄ることを言います。便名は変わりません。通常、フライトには1区間につき1つの便名が割り振られていますが、経由の場合は経由空港に立ち寄った後も便名は同じです。
経由地では、乗客は飛行機から一旦降りて待合エリアで待機したり、セキュリティチェックを受け直したり、座席に着席したままであったりと様々で、機内アナウンスの指示に従う必要があります。
経由の目的は、積み荷の入替えや燃料の補給、乗員乗客の乗降などです。他の乗客は経由ではなく、そのまま入国することもあるのでつられて入国審査へ向かわないように気を付けましょう。
キャセイパシフィック航空のCX451便の成田発-香港行きを例に見てみます。
便名 | 出発 | 到着 | 所要時間 |
---|---|---|---|
CX451 | 15:40 成田発 | 18:35 台北着 | 3時間55分 |
CX451 | 19:40 台北発 | 21:45 香港着 | 2時間5分 |
このように便名は成田から香港まで同じですが台北で降機しなければなりません。降機後、台北空港では約1時間、保安エリア内で過ごすことになります。
最終目的地に向かう途中で降機し、別の飛行機に乗り換えることを言います。
経由とは違い、便名が変わります。
乗継地では、場合によっては入国手続きや預け荷物のピックアップが必要になります。荷物トラブルも起きやすいので気を付けましょう。
ロストバゲージ(荷物紛失)については以下をご覧ください。
海外出張トラブル対処編:ロストバゲージ(荷物紛失)にはこう対処する
フライトにおける経由と乗継を比較すると次の通りです。ただし、航空会社や空港によってルールは異なります。最初のチェックイン時と機内アナウンス、バッゲージタグの行先をしっかりと確認しましょう。
項目 | 経由 | 乗継 |
---|---|---|
便名/機材 | 同じ | 変わる |
ストップオーバー(※) | 不可 | 条件次第で可能 |
荷物のピックアップ | 不要 | 場合によっては必要 |
航空会社のチェックイン | 不要 | 場合によっては必要 |
(※)ストップオーバーとは、複数航空路線の乗継をする場合において、乗継地点に24時間以上滞在することを指します。
乗継をする際の注意点をいくつか紹介します。
搭乗券は1区間毎に必要になります。
複数の便を乗り継ぐ場合でも、同じ航空会社の運航便であれば、最初の出発空港でチェックインした際にすべての搭乗券を受け取ることができます。ただし、2区間目以降の搭乗ゲートや搭乗時間は記載されていないことも多いため、乗継空港の電光掲示板を確認しましょう。
気を付けるべき点は、eチケット上は一枚の航空券に見えても、別冊発券(複数の航空券)になっている場合もあるということです。複数の区間や航空会社を含む旅程の場合は特に注意してください。
航空会社毎にチェックインして搭乗券を受け取る必要があります。出発空港では、一部の搭乗券しか受け取れないため、乗継空港で次に搭乗予定の航空会社にチェックインし搭乗券を受け取ります。
コードシェア(共同運航便)の場合は対応が異なる場合があります。詳細は以下をご覧ください。
利用する航空会社や空港、航空券の発券の仕方によっては荷物のピックアップが必要です。
航空会社が変わらない場合や最終目的地まで通しで航空券を発券している場合は途中の空港で預け荷物のピックアップは不要なことがほとんどですが、バッゲージタグの目的地を確認しましょう。
上述した搭乗券の受け取り(チェックイン)と同様に、別冊発券している場合は、バッゲージスルーの対象外となることが多いです。
基本的にはその都度のピックアップと預け直しが必要になるでしょう。ただし、一部の航空会社では、キャリア別の連携やアライアンス(航空連合)内で条件を満たした場合に限り、バゲージスルーになります。バゲージスルーの対象になるかはチェックイン時に確認しましょう。
搭乗券に記載の時刻はすべて現地時間です。乗継空港では、ご自身の腕時計や電子機器類の時間を日本時間から現地時間に変更すると安心でしょう。
なお、サマータイムが採用されている国もあります。事前に調べておくか、機内アナウンスや座席モニターを参考にしてください。
参考:主要都市 – 時差計算
海外のハブ空港はとてつもなく広く移動に時間がかかります。ターミナルの移動にシャトルやバスを利用することも少なくありません。乗継時間に余裕があるか確認しましょう。
また、搭乗ゲートや搭乗締切時刻が直前に変更になることもあります。空港アナウンスにも気を配りましょう。
国によっては、空港から出ない乗継でも入国審査を通過しなければなりません。ビザが必要な国もあるため、事前取得が必要かどうかを必ず確認しましょう。
ビザについては以下をご覧ください。
空港での経由と乗継の違いについて解説しました。経由と乗継は、最終目的地までに別の空港に立ち寄るという点では同じですが、搭乗者に求められる対応は変わります。特に経由はeチケットからは判別しにくいことも多く、搭乗する際に初めて気づく方もいるようです。突然の降機指示に焦らないようにしておきたいですね。