海外出張は行き慣れた方にとっては国内出張の延長線と言えるかもしれませんが、多くの方にとっては仕事における大きなイベントの一つであり、相応の準備が必要です。そして海外出張の際に最初に思い浮かべるのは海外航空券ではないでしょうか。
海外航空券は皆さんが思っている以上に複雑です。例えば、海外航空券を購入した後、出張のスケジュール変更に伴い航空券を変更しようとしたところ、変更ができないタイプの航空券だったといったトラブルをよく聞きます。また、預けた荷物が紛失した、最初のフライトが遅延して乗継便に乗り遅れてしまったなど、様々なトラブルが想定されます。
この記事では、海外航空券に関する基本情報から空港での過ごし方、トラブル発生時の対応方法について解説します。
はじめに、海外航空券の購入にあたって押さえておきたいポイントを整理します。航空券を購入する前に、以下に記したポイントを確認することで購入時のトラブルは回避できるはずです。しっかりと確認しておきましょう。
国際航空券の種類として押さえておきたいのが、「運賃タイプ」と「共同運航便(コードシェア便)」です。運賃タイプについては料金や柔軟性に違いがでてきます。共同運航便(コードシェア便)については空港でのチェックイン方法や荷物の預け方に影響がでてきます。
「正規運賃航空券」、「正規割引航空券」、「格安航空券」、「LCC航空券」の4つの運賃タイプがあります。それぞれのタイプには、料金や変更・払戻の柔軟性という点で違いがあります。出張では、スケジュールが変わることで航空券を変更したいといったケースもあるでしょう。あなたの出張において最適な運賃タイプを選びましょう。
海外フライトでは、一つの航空機を二つ以上の航空会社が運航するケースがあり、それを共同運航便と呼びます。共同運航便においては、機体を含めた主たる航空会社と機体における座席の一部を共有している航空会社によって成り立ちますが、どちらで予約したかによってチェックイン方法や変更・取消時の手続き方法が変わってきます。予約サイトを見れば、共同運航便であるかはわかるので事前に認識して予約しましょう。
欧米などへ出張する場合は、途中の目的地以外の空港に立ち寄ることがあります。そうした航空券を乗継便と言いますが、実は乗継便には乗継タイプと経由タイプがあります。皆さんがよく使われるのは乗継タイプと呼ばれ、立ち寄り先で異なる航空機に乗り換えます。一方、経由タイプでは同じ航空機に乗ることになり、立ち寄り先の空港で入国手続き等を行う必要はありません。トランジット先の空港で誤った行動をしないよう、ご自身が利用するフライトがどのタイプのフライトであるかを確認しましょう。
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航空券には、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミークラスの4タイプの座席クラスがあります。座席のクラスにより機内サービスや料金が異なることはもちろん、ラウンジ利用の可否や預けられる荷物の数・重量、優先的搭乗などが異なります。
また、座席に関しては、アップグレードが可能な場合もあります。アップグレードする方法はマイレージの活用や追加費用の支払いといった方法があります。ただし、アップグレードするためには座席クラスの要件があるので注意しましょう。
海外航空券を購入する上で必ず確認しておきたいのが、取消・払戻のルールです。出張が中止になったり、スケジュールに変更があった場合、購入した航空券を払戻、変更する必要がありますが、取消不可・変更不可のルールが適用されていると再度購入を余儀なくされます。海外航空券は非常に高額であり、買い直しをすることは自社に大きな損害をもたらすため、事前に取消・変更のルールを確認してから購入しましょう。
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海外フライトに関する基本的な知識を押さえたら、いよいよ購入しましょう。ここでは航空券の購入方法について解説します。出張ではただ購入すればよいだけでなく、その後の精算・立替を視野に入れて購入方法を選択する必要があります。また、購入価格を抑えるためのポイントも解説します。
海外航空券の購入方法は、「航空会社の公式サイトで購入する」、「オンライン旅行予約サイトで購入する」、「旅行会社に依頼する」、「BTMで購入する」の4通りが考えられます。それぞれにメリット・デメリットがありますが、業務渡航では、変更・取消の柔軟性や従業員の立替負担軽減が重要になります。自社に適した購入方法を選択しましょう。
海外航空券のベストな購入方法は?選定のポイントとタイプ別の特徴を解説します。
航空券を安く購入するためには、複数の比較サイトで最安を探すよりも早期購入や出発日の調整が効果的です。安易に安いサイトで購入するとサポートが受けられない場合もあります。また、夏休みの時期や連休の時期は価格が高くなりがちなので出張シーズンも意識するとよいでしょう。
コロナ前後で航空券の価格は変わったか?航空券価格の推移を調査(2024年6月更新)
海外フライトに搭乗する場合、出張日当日に手続きをしていたら遅いです。オンラインチェックインを活用し、当日の手続きをスムーズにしましょう。また、機内に持ち込める荷物とカウンターで預け入れる荷物についても事前に確認しておきましょう。
以前は、搭乗日当日に航空会社のカウンターへ向かい、Eチケットを提示したうえでチェックインを行うのが一般的でしたが、昨今は航空会社のウェブサイトでオンラインチェックインをする方法が一般的です。また、空港においても自動のチェックインカウンターで手続きをする場合もあります。搭乗当日に慌てないためにもチェックインのプロセスを確認しておきましょう。
海外航空券を購入したらチェックインしましょう。チェックイン方法を解説。
海外出張では衣類や日用品に加え、パソコンや書類などを携帯することが多いため、荷物が多くなりがちです。一方で機内への手荷物の持込にはサイズや個数以外にも制限があります。また、機内には持ち込めるけど、預入荷物に含めることができない物もあります。搭乗する前に荷物のルールについて確認しておきましょう。
通常、空港には搭乗時刻の2時間以上前に到着することが推奨されており、チェックイン・荷物の預け入れ、出国手続きを終えると、その後は出発まで自由に過ごすことになります。待機時間の過ごし方は人によって異なり、軽く飲食をする人もいれば、搭乗ゲート付近で読書や作業をしている人もいます。そして、空港での代表的な過ごし方として忘れていけないのがラウンジの活用です。ラウンジでは軽食やシャワーを浴びることもでき、出発前のリラックス手段として最適です。利用するためには一定の条件が必要になりますが、長旅の前に考えておくとよいでしょう。
空港ラウンジの活用が出張の成否を分ける?ラウンジの活用術を紹介。
予約していたフライトが急に欠航になった、目的地に到着したら荷物が届かなかった(ロストバゲージ)、フライトが遅延して経由便に乗り遅れたなど海外フライトでは様々なトラブルが発生しえます。トラブルが発生したら現地で解決することが必須です。現地で困らないようにトラブル発生時の対応方法を確認しておきましょう。
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この章の最後に航空会社や国際空港に関する情報をまとめました。皆さんが乗る航空会社や乗継で利用する空港があれば、是非ご覧ください。それでは快適な出張をお過ごしください。
航空会社には、FSC(フルサービスキャリア)と呼ばれるものと、LCC(ローコストキャリア)と呼ばれるにタイプのフライトがあります。また、それぞれのタイプに属する航空会社であっても、サービスの内容は航空会社によって異なります。経済合理的なフライトを選ぶのが前提にはなりますが、出張先で精力的に活動できるよう少しでも快適なフライトを選びたいところです。
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欧米への出張では乗継便を利用することも多いでしょう。その場合は、乗継先の空港で一定時間過ごすことになります。ここではハブ空港と呼ばれる国際空港を中心にターミナルの詳細やラウンジの場所を解説します。
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