もくじ
アラブ首長国連邦の首都、中東の金融・物流のハブであるドバイは、世界中からビジネスパーソンが集まる国際都市です。日本企業の進出や大規模展示会(GITEXなど)への参加も年々増加しており、出張管理の重要性が高まっています。
ドバイ出張を成功させるためには、現地のインフラ事情だけでなく、日本とは異なる法規制やビザの運用を正確に把握しておく必要があります。
ドバイへのビジネス渡航において、拠点となるのは主に以下のエリアと空港です。
世界最大級のハブ空港。エミレーツ航空の本拠地であり、ダウンタウン(ブルジュ・ハリファ周辺)やDIFC(金融街)へのアクセスが非常にスムーズです。
ドバイ南部に位置。現在は貨物やLCCが中心ですが、ジェベル・アリ・フリーゾーン (JAFZA) などの工業地帯に近いのが特徴です。
「知らなかった」では済まされない、渡航準備の必須項目です。特にパスポートの残存期間は厳格にチェックされるため、企業管理者は事前の確認を徹底してください。
アラブ首長国連邦(UAE)入国時に、パスポートの有効期限が6ヶ月以上残っている必要があります。これに満たない場合、日本国内のチェックインカウンターで搭乗を拒否されるケースがあります。
短期出張の場合:日本国籍のパスポート保持者であれば、30日以内の滞在については事前のビザ取得は不要です(入国時に空港で無料の「入国許可証」が付与されます)。
長期滞在・就労の場合:現地での実務作業を伴う長期滞在や就労には、適切な就労ビザが必要です。
宗教上の理由から、豚肉製品や一部の医薬品(強い鎮痛剤など)の持ち込みが制限されています。常用薬がある場合は、英文の処方箋(英語の診断書)を携行することを推奨します。
アラブ首長国連邦のビザ制度は、日本国籍保持者に対して非常に優遇されていますが、滞在日数のカウントや延長ルールには独自の慣習があります。管理者は「いつまで滞在可能なのか」を正確に把握しておく必要があります。
日本国籍のパスポートを保持している場合、30日以内の短期商用・観光目的であれば、事前のビザ取得は不要です。
注:この期間内に出国または延長手続きを行わない場合、高額な罰金(オーバーステイ料金)が科せられるため注意が必要です。
現地での長期的なプロジェクト参画や、拠点への赴任、あるいは30日を超える滞在が見込まれる場合は、適切な居住・就労ビザの取得が義務付けられています。
| ビザの種類 | 対象・概要 |
|---|---|
| 短期滞在延長 | 対象・概要 短期滞在延長 30日の期限内に手続きを行うことで、さらに30日間(合計最大60日間)の滞在延長が可能です。 |
| 就労ビザ (Work Visa) | UAE国内の企業に雇用される場合に必要。通常2〜3年有効で、雇用主がスポンサーとなります。 |
| グリーンビザ (Green Visa) | 高度なスキルを持つ専門家やフリーランサー向けの5年間有効なビザ。自己スポンサーが可能です。 |
| ゴールデンビザ | 投資家や卓越した才能を持つ個人向けの10年間有効な長期居住ビザ。 |
ビザ規則は予告なく変更される可能性があるため、最終的な判断は必ず以下の公式情報を参照してください。
駐日アラブ首長国連邦大使館
https://www.mofa.gov.ae/en/missions/tokyo
日本国内での公式な窓口。2024年9月より目黒のアルコタワーへ移転しています。
在ドバイ日本国総領事館
https://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/itpr_ja/visa_top.html
現地滞在中のビザ延長やトラブルに関する日本語の情報を確認できます
UAE政府公式サイト(Visas and entry permits)
https://u.ae/en/information-and-services/visa-and-emirates-id/visit-visas
UAE連邦政府による最新のビザ規則やオンライン申請のポータルサイトです
アラブ首長国連邦出張の準備では、日本国内の感覚でいると思わぬトラブルに直面することがあります。出張者本人の準備はもちろん、企業側もリスク管理の観点から以下の項目を必ずチェックしてください。
アラブ首長国連邦への入国には、パスポートに関して厳格なルールがあります。
観光ビザ免除(On Arrival Visa)で入国する場合でも、入国審査官から「ビジネスの目的」や「帰国する意思」を問われることがあります。以下の書類(英語)を印刷、またはデジタルで即座に提示できるよう準備しておくとスムーズです。
入国時に提示を求められる頻度が最も高い書類です。
ホテル名、住所、電話番号が明記されたもの。
現地法人や取引先から発行された招待状。会議の目的や期間が記されていると信頼性が高まります。
必須ではありませんが、長期滞在や特殊な機材を持ち込む際、身分を証明するために有効な場合があります。
管理部門は、出張者の安全確保とコスト管理の観点から、以下の体制を整えておくべきです。
ドバイは国際イベント期間中に宿泊費が数倍に跳ね上がることがあります。「一律の宿泊上限」では適切なホテルが確保できない場合があるため、実情に合わせた弾力的な運用ルールの策定を推奨します。

ドバイ国際空港(DXB)は世界屈指の規模を誇りますが、ビジネス利用者が多いため、動線は非常に効率的です。スムーズな入国のためのポイントを整理しました。
降機後、「Arrivals / Passport Control」の表示に従って進みます。
有人カウンター: 審査官にパスポートを提示します。通常、滞在目的などを聞かれることは少ないですが、念のため「Business (Meeting)」と答えられるようにしておきましょう。
スマートゲート: 過去に入国記録がある方は、顔認証による自動ゲートが利用可能です。パスポートをスキャンし、カメラを見るだけで数秒で通過できます。
審査を通過する際、通信会社(duなど)から1GB程度の無料SIMカードが配布されることが一般的です。設定すればすぐに現地で通信が可能です。
30日間の滞在許可スタンプが正しく押されているか、その場で念のため確認してください。
荷物を受け取った後、最後に税関(Customs)を通過します。
AED 60,000(約240万円相当)以上の現金、トラベラーズチェック、金、宝石などの貴重品を所持している場合は、必ず税関申告(Afseh)が必要です。18歳未満の同行者がいる場合、その所持額は保護者の限度額に合算されます。
UAEでは特定の成分を含む鎮痛剤や精神安定剤の持ち込みに厳格な制限があります。常備薬を持参する場合は、英文の処方箋を携行し、疑わしい場合は「Red Channel(要申告)」へ進み相談してください。
出張管理者が最も警戒すべきは、意図しない規程違反や罰金の発生です。
30日間の滞在期限を1日でも過ぎると、1日あたりAED 50(約2,000円)程度の罰金が発生します。以前あった10日間の猶予期間(グレースピリオド)は、ビザの種類によって運用が異なるため、「30日以内に出国」を原則として管理してください。
パスポートの残存期間が6ヶ月未満の場合、入国審査で足止めされます。就労を伴う出張の場合、観光目的の「On Arrival Visa」での入国が不適切と判断されるリスクがゼロではありません。実務(現場作業など)が発生する場合は、事前に適切なビザ区分を公式窓口で確認してください。
ドバイ国際空港(DXB)は市街地に非常に近く、移動手段も豊富です。目的地の場所や到着時間に合わせて最適な手段を選択してください。
ビジネス渡航者が主に利用する手段は、以下の3つです。
| 移動手段 | 料金目安(ダウンタウンまで) | 所要時間 | 備考 |
| タクシー | 約60~80 AED (約2,400〜3,200円) | 15~25分 | 空港加算料25 AEDを含む |
| Careem/Uber | 約80~120 AED (約3,200〜4,800円) | 15~25分 | 車種により変動 |
| メトロ | 約5~10 AED (約200〜400円) | 25~30分 | ノルカード(Nol)が必要 |
深夜0時を過ぎて到着するフライトの場合、以下の2点に注意が必要です。
中東エリアへのビジネス展開が進む中、UAE(アラブ首長国連邦)、特にドバイやアブダビへの出張機会が増えています。「煌びやかな富裕層の国」というイメージ通り、現地での滞在コストは決して安くありません。さらに、渡航する時期によって宿泊費が2倍以上変わるなど、予算管理が非常に難しい国でもあります。
(※本記事の円換算は、1UAEディルハム=約42円前後を目安としています)
UAEのホテル相場を語る上で欠かせないのが「シーズナリティ(季節性)」です。
以下は、ビジネス渡航が多いハイシーズン(冬場)のドバイを想定した相場です。
相場:1泊 1,500 AED〜3,000 AED(約63,000円〜126,000円)
ダウンタウン・ドバイ(ブルジュ・ハリファ周辺)やパーム・ジュメイラにある世界的ブランドホテルです。
相場:1泊 600 AED〜1,200 AED(約25,000円〜50,000円)
ビジネスベイ(Business Bay)やシェイク・ザイード・ロード沿いにある、ビジネスマン向けのホテルです。
相場:1泊 300 AED〜500 AED(約12,000円〜21,000円)
アル・バルシャ(Al Barsha)地区や、旧市街(デイラ地区)などに多いホテルです。
| ホテルランク | 予算感(AED/泊) | 日本円目安 | 推奨対象 |
| 5つ星(高級) | 1,500〜 | 6.3万円〜 | 役員・VIP |
| 4-5つ星(ビジネス) | 600〜1,200 | 2.5万〜5万円 | 管理職・一般社員 |
| 3-4つ星(廉価) | 300〜500 | 1.2万〜2.1万円 | コスト重視・長期 |
UAEは「タックス・ヘイブン(無税)」のイメージがあるかもしれませんが、2018年からVAT(付加価値税5%)が導入されています。 また、イスラム教国であるため「お酒」に関するコストが非常に高いのが最大の特徴です。
欧米や日本食などの「外国人向け」の食事は高く、インド・パキスタン・アラブ料理などの「ローカル向け」の食事は安いという二重構造になっています。
メトロ(地下鉄): 3 AED〜8 AED(約120円〜330円)
非常に安く清潔ですが、駅と目的地が離れていることが多く、真夏の徒歩移動は不可能です。ビジネス利用は限定的になります。
タクシー: 初乗り 12 AED(約500円)〜
日本よりは割安です。配車アプリ「Careem(カリーム)」や「Uber」が一般的です。ただし、ドバイ特有の「Salik(サリク)」という自動道路通行料が乗車料金に加算されるため、レシートの内訳が細かくなります。
海外ホテルの価格推移や平均相場が知りたい方はこちらをご覧ください。
【2026年最新】世界の主要都市ホテル相場|海外出張の宿泊費目安リスト
アラブ首長国連邦は国際的で開放的な都市ですが、根底にはイスラム文化の教えと厳しい法律があります。知らずにルールを破ると、高額な罰金や強制送還のリスクもあるため、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
ビジネスの場では、相手に対する「敬意」を服装で示すことが非常に重要です。
男性: 基本はスーツにネクタイ着用です。猛暑の屋外を歩く必要がない限り、商談の場ではジャケットを脱がないのがマナーです。
女性: 肩、胸元、膝が隠れる控えめでエレガントな服装が基本です。ノースリーブやミニスカートは避け、ビジネススーツや落ち着いたワンピースを選びましょう。
ドバイの週末は土曜日・日曜日です。ただし、金曜日は「半休」とする企業や官公庁が多く、午後は礼拝の時間となるため、金曜午後のアポイント設定は避けるのが賢明です。
握手が基本ですが、異性の相手(特に保守的な現地の方)に対しては、相手が手を差し出すまで待つのがエチケットです。名刺交換は右手で行いましょう。
「日本では当たり前」の行動が、ドバイでは法に触れる場合があります。
飲酒は許可を受けたホテル内のレストランやバーに限定されます。
公共の場(路上、公園、ビーチ等)での飲酒は厳禁で、多額の罰金や逮捕の対象となります。また、酔った状態で公共の場所を歩くことも違法ですので、店を出たらすぐにタクシーで帰宅しましょう。
不適切なジェスチャーや暴言: 怒鳴ったり、中指を立てるような仕草は重大な犯罪(逮捕・国外追放)とみなされます。
写真撮影: 政府機関や軍事施設、許可なく現地の女性を撮影することは禁止されています。
期間中は、日中の公共の場での飲食・喫煙が制限されます。2026年のラマダン時期(2月〜3月頃予定)に渡航する場合は、特に配慮が必要です。
企業管理者は、出張者による「無知ゆえのトラブル」を防ぐため、以下の社内ガイドラインを共有してください。
薬物に関しては微量でも所持・摂取していれば死刑や終身刑を含む極刑の対象です。また、飲酒運転も血中アルコール濃度0.0%が基準であり、一切の例外が認められません。
UAE政府や現地の文化・宗教を批判する内容をSNSに投稿することは、サイバー犯罪法に抵触する恐れがあります。
トラブルに巻き込まれた際の「在ドバイ日本国総領事館」への連絡ルートを周知徹底してください。
帰国便への搭乗遅延や、意図しないビザ規則違反は、個人のみならず企業の信頼問題に発展しかねません。最後までスムーズに進めるためのガイドラインです。
アラブ首長国連邦からの出国は、スマートゲートの活用により非常に効率化されています。
スマートゲート: 入国時と同様、ICチップ付きパスポートを保持していれば、自動ゲートにパスポートをかざし、カメラを見るだけで数秒で審査が完了します。
有人カウンター: スマートゲートが利用できない場合でも、パスポートの提示のみでスムーズに進みます。出国スタンプの押印は近年省略される傾向にあります。
通常時:出発の3時間前
ピーク時(年末年始・大型連休):出発の4時間前
※2026年1月には、エミレーツ航空が年始の混雑に対し「4時間前到着」を強く推奨するアドバイザリーを出しています。ドバイ国際空港は免税店やラウンジが非常に充実しているため、早めにチェックインを済ませ、空港内で仕事をするスタイルが一般的です。
ドバイ(UAE)のビザ管理は厳格です。「うっかり」の過失であっても例外なく処罰の対象となります。
滞在期限(30日間)を過ぎた場合、1日あたり50 AED(約2,000円)の罰金が課せられます。
さらに、空港で出国許可証(Exit Permit)の発行手数料として、別途250~350 AED程度が必要になる場合があります。
数日のオーバーステイであれば、罰金を支払うことで出国は可能ですが、記録は当局に残ります。
悪質と判断されたり、長期間の違反がある場合は、将来的なビザ発給の拒否や、一定期間の入国禁止(Blacklist)措置が取られるリスクがあります。
商談の延長やトラブルにより、当初の予定(30日以内)を超えて滞在する可能性がある場合は、期限が切れる最低5営業日前には以下の対応を開始してください。
UAE政府(ICP)やドバイ当局(GDRFA)のポータルサイトから、滞在延長(Visit Visa Extension)の申請が可能です。
法人契約の旅行会社や、現地のビザ代行業者を通じて手続きを行うのが最も確実です。
一度近隣諸国(オマーンなど)へ出国して再入国し、新たに30日間の滞在許可を得る手法もありますが、2026年現在はオンラインでの直接延長が主流です。
駐日アラブ首長国連邦大使館(Embassy of the UAE in Tokyo)
日本国内における公式窓口。ビザ要件の最終確認。
https://www.mofa.gov.ae/en/missions/tokyo
UAE政府公式サイト(Visas and entry permits)
連邦政府による公式なビザカテゴリー解説ページ。
https://u.ae/en/information-and-services/visa-and-emirates-id/visit-visas
在ドバイ日本国総領事館
現地の安全情報や、日本人向けの生活・渡航ガイドが充実しています。
https://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
メトロの運行時間、タクシー運賃、交通系ICカード「Nol」の情報。
フライト状況やターミナルマップ、スマートゲートの案内。