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サウジアラビアは近年、経済多角化や外国企業誘致を強化しており、ビジネス出張のニーズが増加しています。しかし、出張者がスムーズに渡航するためには、正しい「サウジアラビア ビザ」の種類選定と申請手続きが欠かせません。本記事では、2025年最新のビザ種類や申請手順、必要書類、費用、入国時の注意点までをわかりやすく解説。企業の出張担当者やビジネスパーソンが安心して渡航準備できる内容にまとめました。
もくじ
日本のパスポートを持つ方がサウジアラビアへ入国する場合、原則としてビザの取得が必要です。観光・ビジネス・労働いずれの目的でも、短期滞在だからといってビザ免除で入国することはできません。
2019年に観光ビザが導入されたことで、これまで制限の多かった渡航手続きが緩和されましたが、ビジネス渡航では観光ビザではなく、商用(ビジネス)ビザの取得が求められます。特に商談、会議参加、パートナー企業との契約締結といった活動は、観光ビザの範囲外となるため注意が必要です。
また、サウジアラビアの入国管理では、渡航目的に応じた正しいビザの提示が強く求められる傾向があります。例えば「会議目的なのに観光ビザで入国しようとした場合」には、入国審査でトラブルになる可能性もあります。そのため、企業の出張担当者や総務部門は、社員が渡航する際に用途に合ったビザを確実に手配することが重要です。
さらに近年では、オンライン申請(eVisaシステム)の導入が進んでおり、従来より取得しやすくなっています。ただし、すべてのビザが電子申請に対応しているわけではありません。商用訪問の場合は、現地のビジネスパートナーや企業から*招聘状(Invitation Letter)が求められるケースが多く、申請準備には一定の時間を要します。
出張や業務渡航を予定している方は、訪問スケジュールが決まった段階で必要書類を確認し、早めにビザ申請を開始すると安心です。
サウジアラビアに渡航する場合、目的に応じて取得すべきビザの種類が分かれています。特にビジネス渡航では、「観光ビザで代用できるのでは?」と思う方もいますが、実際には入国目的ごとに厳密な区分があり、用途に合った適切なビザを申請することが必須です。ここでは主なビザの種類を整理します。
2019年に新設され、日本国籍者もオンライン(eVisa)や到着時の即時発給で取得可能です。観光やイベント参加など短期滞在向けで、最長90日間の個人旅行が可能です。ただし、商談・会議参加などのビジネス活動には利用できません。
出張や会議参加、取引先との契約、展示会やセミナーへの参加など、商用目的で渡航する場合に必要なビザです。取得には現地企業からの招聘状(Invitation Letter)が求められる場合が多く、観光ビザと異なり、一定の審査期間を要します。短期のビジネス出張者に最も利用されるビザです。
ビジネスビザに近い位置付けですが、実務的な活動や特定の契約業務に関連する用途で利用されます。例えば、現地パートナー企業との具体的な取引や事業活動に従事するケースが該当します。単なる会議出張とは異なる扱いになる場合があるため、渡航目的を企業で事前整理しておくことが大切です。
長期間サウジアラビアで働く予定の人材が必要とするビザです。現地企業との雇用契約が前提となり、健康診断書や犯罪経歴証明書など厳格な提出書類が必要です。プロジェクト派遣や駐在員の赴任ではこのビザになります。
駐在員や長期派遣社員、その家族に対して発給される滞在許可証(イカーマ)が該当します。単なる出張ではなく、現地での生活・就労を前提としたビザであり、通常は労働ビザ取得後に発給されます。
サウジアラビアのビザは、観光用とビジネス用で明確に区分されている点が特徴です。誤った種類で申請すると入国拒否やトラブルにつながる可能性があるため、出張担当者は社員の渡航目的を正しく整理し、それに最適なビザを選ぶことが重要です。
サウジアラビアにビジネス目的で渡航する場合、観光ビザではなく、ビジネスビザ(Business Visa)もしくは商用訪問ビザ(Commercial Visit Visa)の取得が必要です。短期出張や商談のためでも、渡航目的が「観光」以外であれば、必ずビジネス関連ビザを申請する必要があります。
サウジアラビアのビジネスビザ申請では、現地企業や取引先からの招聘状が求められることが一般的です。この招聘状には、訪問者の氏名・旅券番号・渡航目的・訪問期間などが記載され、サウジ商工会議所または関連省庁による認証が必要な場合もあります。企業間で正式にビジネス関係があることを証明する書類として非常に重要です。
日本国籍者がサウジアラビアのビジネスビザを申請する際、一般的に以下の書類が必要とされます。
なお、業種や訪問先によっては、追加で商工会議所の証明や事業登録証の提示を求められるケースもあります。
サウジアラビアへの渡航を予定している場合、ビザ申請はできるだけ早めに進めることが重要です。特にビジネス出張では、必要書類の準備や現地企業との手続きが必要になるため、渡航直前の対応では間に合わない可能性があります。ここでは一般的なサウジアラビアビザ申請の流れを解説します。
まず最初に行うべきは、訪問目的の整理です。「観光」「ビジネス出張」「長期勤務」など、目的に応じて必要なビザの種類が異なります。商談や会議参加は観光ビザでは認められず、必ずビジネスビザまたは商用訪問ビザが必要です。
パスポート、写真、招聘状(Invitation Letter)、会社の在職証明書、ホテルや航空券の予約確認などを事前に揃えます。特に招聘状は現地企業側の対応が必要なため、時間に余裕をもって依頼しておきましょう。
観光ビザはオンラインで簡単にeVisa申請が可能ですが、大使館での申請が必須になります。具体的な流れとしては下記のとおりです。
これらを済ませることで、大使館や領事館への正式申請の準備が整います。
オンライン申請完了後、サウジアラビア大使館または在日領事館に必要書類を持参し、正式に申請を行います。代理申請サービスを利用する企業も多く、出張担当者が複数の申請をまとめて行う場合には効率的です。
申請から承認までは通常数日~1週間程度が目安です。ただし繁忙期や書類不備がある場合はさらに時間がかかるため、遅くとも2~3週間前には申請に着手するのが安心です。発行されたビザはパスポートに貼付される形で受領します。
ビザの有効期限、入国回数(シングル・マルチプル)、滞在可能日数などを出発前に確認しておくことが大切です。誤った理解のまま渡航すると、現地で入国を拒否される可能性もあります。
サウジアラビアのビザ申請は、観光ビザに比べるとビジネスビザのほうが手続きが煩雑で時間もかかります。企業の出張管理担当者は、スケジュールに合わせて早めに申請を開始することが円滑な渡航の鍵となります。
サウジアラビアのビジネスビザ申請に必要な費用は主に下記の項目で構成されます。
社内規程に合わせて「旅費規程」「業務渡航規程」等のルール確認も忘れずに行い、申請前後で必要な書類手配を徹底しましょう。
サウジアラビアにビザを取得して到着すると、まず入国審査を受ける必要があります。入国審査では有効なパスポート、搭乗券の提示、指紋登録、顔写真の撮影が実施され、その後パスポートに入国印が押されます。入国印が確実に押されているか、日付に誤りがないか必ず確認しましょう。
パスポートは残存期間が6か月以上、空白ページ2ページ以上が必須条件です。破損・汚れの激しいパスポートは入国拒否の原因になることがあるため、状態を事前チェックしましょう。
税関検査ではすべての荷物がX線検査の対象となり、不審物が発見されると開封検査となる場合も珍しくありません。イスラム教の戒律により、アルコール類・豚肉製品・偶像・ポルノ雑誌などは一切持ち込み禁止です。免税店購入品でも例外なく対象となるため注意が必要です。
また、CDやパソコン内のデータ、雑誌なども厳しく検査されることがあり、水着写真を含む一般雑誌も禁止品とされる場合があります。禁制品が見つかった場合、没収だけではなく法的措置や身柄拘束につながるリスクがあるので絶対に持ち込まないようにしましょう。
現金や貴金属は6万サウジリヤル(約1万6千米ドル)以上の持ち込み時には申告が必要です。申告なしで発見されると一時保管や調査の対象となります。
現地では宗教施設や政府関連施設の写真撮影も厳禁です。撮影許可が明示されていない場合は事前に周囲に確認し、トラブルを避けましょう。特に女性の撮影やSNS投稿には注意が必要です。
サウジアラビアのビザ取得費用は、種類や申請方法、サービス利用で異なりますが、ビジネスビザは一般的に80〜500米ドル(約12,000〜75,000円)程度が目安です。
A1: ビジネス渡航の目的に応じて申請すべきビザ種類が変わりますが、サウジアラビアでは観光ビザでの商談や会議参加が認められていません。短期間でも商談や会議参加が目的なら、必ずビジネスビザや商用訪問ビザを申請してください。
A2: 同行者もビジネス活動に従事する場合は同様にビジネスビザが必要です。また、通訳者やアシスタントも商用訪問ビザ等での申請が適当です。単なる付添いや観光目的でないことを明確にして申請してください。
A3: 2025年現在、サウジアラビアはビジネス目的の電子ビザ(eVisa)を導入していますが、入国拒否になるケースも報告されているため、主要なビジネス渡航は従来の通常ビザ(査証)申請を推奨する場合があります。企業の出張担当者は最新の運用状況を確認し、慎重に選択してください。
A4: サウジアラビアのビジネスビザの有効期間は通常1年で、多くは90日間の滞在が認められています。ただしビザの種類や申請内容により異なるため、発給ビザの詳細を必ず確認してください。
A5: 拒否理由を確認し、不備があれば訂正の上再申請が必要です。主な拒否原因は招聘状や企業情報の不備、申請書の誤記などが多いです。専門の申請代行サービス会社に相談するのも有効です。
サウジアラビアへのビジネス出張に際しては、まず渡航目的に合った正確なビザの種類を理解し、適切なビザ申請を行うことが最も重要です。観光ビザではビジネス活動が認められず、商談や会議参加にはビジネスビザや商用訪問ビザの取得が必須となります。
ビジネスビザの申請には、現地企業からの招聘状や会社推薦状、航空券・宿泊先の予約確認などの書類が必要で、申請には時間的余裕が求められます。特に招聘状は現地での認証が必要なため、渡航予定が決まったらすぐに準備と申請を開始することをおすすめします。
申請方法は、オンラインのEnjazitシステムやサウジアラビアビザサービスセンター(VFS)を経由し、本人が直接申請に出向く必要があります。また、電子ビザ(eVisa)も導入されていますが、ビジネス出張では入国拒否のリスクもあるため、従来のビザ申請が安全です。
費用面では、ビザ申請手数料のほか医療保険料や申請サポート費用がかかります。会社での経費処理においては、領収書の確保や正確な記録が重要となるため、経費規程に則り適切に管理することが求められます。
なお、サウジアラビア入国時にはパスポートの有効期限や残存ページ、持ち込み禁止品の厳守、入国審査での指紋・顔写真登録など独特の手続きがあるため、事前に最新の注意点を確認することが円滑な入国のポイントです。
在日サウジアラビア王国大使館(東京)
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