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中国のビザ・入国審査の情報まとめ(2025年5月更新)

投稿日:2025.05.14 / 最終更新日:2025.05.14

ビザ要否のまとめページはこちら

ビザ要否一覧(日本国籍)

中国は、日本人が出張で渡航する国として常に上位に挙がります。2024年11月30日からビザの免除措置が再開されたこともあり、昨今、出張が増えています。しかし、渡航目的や渡航期間によってはビザが必要となるケースもあります。加えて、入国審査にあたっては必要な書類等もあります。

本記事では、中国のビザに関する最新情報を整理するとともに入国審査に必要な書類やプロセスについて解説します。

中国ビザの最新動向と概要

中国ビザ政策の最新動向:ビザ免除措置の再開

2025年の中国ビザ政策は、外国人旅行者やビジネス関係者にとって大きな緩和が進んでいます。特に注目すべきは、日本を含む複数の国に対するビザ免除措置の拡大と、滞在可能期間の延長です。

中国政府は2024年11月30日から2025年12月31日まで、日本のパスポート保有者に対して短期滞在のビザ免除措置を再開しました。これにより、商業・貿易、観光、親族訪問、文化交流、および通過を目的とした30日以内の滞在であれば、ビザなしで中国に入国することが可能となっています。

このビザ免除措置は日本だけでなく、欧州やアジアを中心とした38カ国に適用されており、人的交流やビジネスの活性化が期待されています。また、トランジットビザ(乗り継ぎビザ)の免除政策も最適化され、通過目的での短期滞在もより利用しやすくなっています。

ただし、30日を超える滞在や、留学・就労などの目的で入国する場合は、引き続き事前にビザの申請が必要です。また、パスポートの残存期間や入国時の手続きなど、基本的な入国条件は従来通り維持されています。

このように2025年の中国ビザ政策は、ビザ免除国の範囲拡大と滞在期間の延長、トランジット政策の最適化など、訪中の利便性を大きく向上させる内容となっています。

中国ビザ免除制度の最新情報をチェック

一方的ビザ免除措置の概要

中国の「一方的ビザ免除措置」は、中国と各国の人的交流やビジネス、観光の活性化を目的とし、2024年11月30日から2025年12月31日までの期間限定で、日本を含む特定の国のパスポートに対して適用される政策です。この措置により、商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問、トランジット(乗り継ぎ)を目的とした30日以内の中国滞在であれば、ビザ(査証)を取得せずに入国できるようになりました。

従来のビザ免除措置では滞在期間が15日以内に限定されていましたが、今回の措置で最大30日まで延長され、より柔軟な渡航が可能となっています。この政策は日本を含む新たに加わった9カ国を含め、合計38カ国の一般旅券保持者が対象です。

ただし、留学や就労などの目的で入国する場合や、30日を超える滞在を希望する場合は、従来通り事前にビザの申請が必要です。また、パスポートの残存有効期間が中国入国時に6か月以上あることなど、基本的な入国条件も維持されています。

参考:ビザ免除措置対象国の範囲拡大に関するお知らせ

ビザ免除制度の対象国と滞在可能日数

中国の一方的ビザ免除制度は、2024年11月30日から2025年12月31日までの期間、一般旅券を所持する特定38カ国の国籍者を対象に実施されています。対象国は日本をはじめ下記の国となります。

ブルネイ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、マレーシア、スイス、アイルランド、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、ニュージーランド、オーストラリア、ポーランド、ポルトガル、ギリシャ、キプロス、スロベニア、スロバキア、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランド、アンドラ、モナコ、リヒテンシュタイン、韓国、ブルガリア、ルーマニア、クロアチア、モンテネグロ、北マケドニア、マルタ、エストニア、ラトビア

ビザ免除の適用条件と注意点

中国ビザ免除の適用条件は、主に滞在目的と滞在期間、パスポートの種類や有効期限など、いくつかの明確な基準が設けられています。

まず、ビザ免除が適用されるのは、商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問、通過(トランジット)などの短期滞在が目的の場合に限られます。留学や就労など、これら以外の目的で中国に入国する場合は、引き続き事前にビザの取得が必要です。

滞在可能期間は最大30日間であり、これを超える場合もビザの取得が必須となります。また、パスポートは一般旅券であることが条件で、旅行証や臨時・緊急旅券など、通常のパスポート以外はビザ免除の対象外です。さらに、パスポートの残存有効期間が入国時点で3カ月以上あることも必要です。

注意点として、滞在期間の厳守が求められ、30日を超える場合や目的外の活動(就労・長期留学など)を行う場合は、必ず適切なビザを取得しなければなりません。また、ビザ免除措置やトランジットビザ免除の条件、対象国、対象空港・地域などは予告なく変更される場合があるため、渡航前に中国大使館や関係当局、利用航空会社の最新情報を必ず確認することが重要です。このように、ビザ免除を利用する際は、目的・期間・パスポートの条件を満たしているかを事前にしっかり確認し、ルールを遵守することが求められます。

中国トランジットビザ(乗り継ぎビザ)と免除措置

トランジットビザの基本と種類

中国のトランジットビザ(乗り継ぎビザ)は、正式には「Gビザ」と呼ばれ、中国を経由して第三国または地域(台湾・香港・マカオを含む)へ向かう外国人が一時的に中国国内に滞在する際に利用されるビザです。トランジットビザには、事前申請が必要な通常のGビザと、主要都市の空港などで申請できるトランジットビザ免除措置の2つの形態があります。

トランジットビザの制限時間は最大240時間(10日間)

トランジットビザ免除制度は、対象となる国籍(日本を含む54カ国・地域)の渡航者が、一定の条件を満たす場合にビザ申請をせずに中国に入国し、指定された都市や地域内で最大240時間(10日間)まで滞在できる制度です。従来は72時間または144時間の滞在が認められていましたが、2024年12月からは一部出入国地点で240時間まで延長されています。

この制度を利用するには、有効期限が3カ月以上残っているパスポート、第三国への座席が確定した航空券、記入済みの外国人入出境カードが必要です。入国審査でこれらの書類を提出し、入国許可証がパスポートに貼付されます。滞在可能な期間やエリアは、到着都市や空港ごとに異なり、例えば上海であれば上海市・江蘇省・浙江省、北京であれば北京市・天津市・河北省の一部に限定されます。

また、トランジットビザはビジネス目的の短期滞在にも利用でき、事前のビザ申請手続きが不要なため、渡航準備の手間や時間が大幅に短縮されるのが特徴です。ただし、制度の適用条件や対象エリアは変更されることがあるため、利用前には最新情報を確認しましょう。

240時間(10日間)トランジットビザ免除の詳細

中国の「240時間(10日間)トランジットビザ免除」は、2024年12月17日から大幅に緩和・拡充された制度です。これにより、従来の72時間または144時間だったノービザでの滞在可能時間が、一律240時間(10日間)に延長されました。対象となるのは、ロシア、ブラジル、イギリス、アメリカ、カナダ、日本など54カ国の国籍を持つ旅行者で、中国を経由して第三国または地域(台湾・香港・マカオ含む)へ向かう場合に適用されます。

この制度では、対象国の旅行者が中国の24省(自治区、直轄市)に設置された60カ所の指定出入国検査場(空港や港など)からビザを有さずに入国でき、許可されたエリア内で最大240時間まで滞在・活動できます。滞在可能なエリアは従来の19省から24省に拡大され、例えば北京市、上海市、広東省などの主要都市だけでなく、山西省、安徽省、江西省、海南省、貴州省など新たな地域も追加されています。

240時間のカウントは中国入国翌日の0時から起算され、滞在中は省をまたいでの移動も可能です。また、観光やビジネス、親族訪問など幅広い目的での短期滞在が認められていますが、就労や長期留学などには適用されません。

この制度の導入により、乗り継ぎを利用した観光や短期ビジネスでの中国滞在が格段にしやすくなり、実際に外国人観光客の入国数も大幅に増加しています。利用にあたっては、第三国への確定済み航空券や有効なパスポートなどが必要となるため、事前に最新の条件や必要書類を確認することが重要です。

適用される空港・都市と利用条件

中国のトランジットビザ免除制度は、北京、上海、広州などの主要都市をはじめとする指定された空港や港、鉄道駅で適用され、240時間(10日間)までの滞在が認められています。2024年12月からは適用範囲がさらに拡大し、北京首都国際空港や北京大興国際空港、上海浦東・虹橋国際空港、広州白雲国際空港、深圳宝安国際空港など、多くの国際空港が対象となっています。また、天津や南京、成都、西安、重慶、青島、厦門、昆明、武漢、瀋陽、大連、杭州、寧波など、全国の主要都市の空港や一部の港、鉄道駅も利用可能です。

利用条件は以下の通りです。

  • 日本を含む54カ国・地域のパスポート保持者であること
  • 有効期限が3カ月以上残っているパスポートを所持していること
  • 中国を経由して第三国または地域(台湾・香港・マカオ含む)へ向かう航空券(搭乗日・座席確定済み)を所持していること
  • 記入済みの外国人入出境カードを提出すること
  • 入国審査で入国管理官の質問に応答できること

滞在可能なエリアは、入国した都市や空港ごとに指定されており、例えば上海から入国した場合は上海市・江蘇省・浙江省、北京から入国した場合は北京市・天津市・河北省の範囲に限られます。他の都市でも同様に、各地域ごとに滞在可能な省や市が定められています。

また、滞在中は中国の法律や規定を遵守し、許可された滞在区域と期間を超えてはなりません。ホテルに宿泊する場合はホテル側が宿泊登録を行いますが、それ以外の場所に宿泊する場合は、24時間以内に最寄りの公安機関で宿泊登録が必要です。

中国入国の流れと必要書類

入国前の準備

中国入国前の準備は、スムーズな渡航と現地でのトラブル防止のために非常に重要です。まず、パスポートの残存有効期間を確認しましょう。中国入国時に6か月以上の有効期間が必要とされているため、出発前に必ずチェックしてください。

次に、滞在目的に応じてビザの要否を確認します。2025年12月31日までは短期の観光や商用、親族訪問などに対してビザ免除措置が適用されていますが、免除条件に該当しない場合や就労・留学などの目的の場合は、事前にビザの取得が必要です。

航空券と宿泊先の予約も必須です。また、現地での決済手段としてAlipayやWeChat Payなどのモバイル決済アプリの準備、国際クレジットカードの登録、必要に応じて中国元の現金も用意しておくと安心です。

通信手段としては、現地SIMカードやポケットWi-Fiを用意すると良いでしょう。中国国内で使える地図アプリ(高徳地図や百度地図)もスマートフォンにインストールしておくと便利です。

さらに、入国時に必要な入国カードや税関申告書は、機内で配布されるため、記入方法を事前に確認しておくとスムーズです。健康状態に不安がある場合や常用薬がある場合は、必要な薬や医療情報も準備しておきましょう。

パスポート・ビザ・航空券の確認事項

中国への渡航前には、パスポート・ビザ・航空券の各種書類について事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

まず、パスポートについては、有効期限が中国入国時点で6か月以上残っていることが原則となっています。パスポートの損傷や汚れがある場合は、入国審査でトラブルになる可能性があるため、事前に新しいものに更新しておくことをおすすめします。また、予備としてパスポートの顔写真ページやビザページのコピーを用意し、別の場所に保管しておくと万が一の紛失時にも安心です。

ビザに関しては、2025年12月31日までは日本国籍を含む一部の国の一般旅券保持者に対して短期滞在のビザ免除措置が実施されています。ただし、滞在目的や期間によってはビザの取得が必要となるため、自身の渡航目的がビザ免除の条件に該当しているかを必ず確認しましょう。また、ビザを取得した場合は、ビザの有効期限と滞在可能日数、シングル・ダブル・マルチプルエントリー(入国回数)の条件も事前に確認し、渡航計画に支障がないかチェックしてください。

航空券については、中国入国時に往復または第三国への航空券の提示を求められる場合があります。特にトランジットビザ免除制度を利用する場合は、第三国または地域(台湾・香港・マカオ含む)への確定済み航空券が必須です。航空券の予約内容や搭乗日、氏名のスペルなどがパスポートと一致しているかも必ず確認しましょう。

入国時に必要な書類一覧

中国に入国する際には、渡航目的や滞在期間にかかわらず、以下の書類が必要となります。特に2025年現在のビザ免除措置を利用する場合でも、下記の書類は必ず準備しましょう。

必要な書類等概要
パスポート入国時に6か月以上の残存有効期間が必要です。
ビザ(必要な場合のみ)2025年12月31日までは短期滞在(観光・商用・親族訪問・交流・トランジット)で30日以内の場合、日本国籍者はビザ免除となりますが、31日以上の滞在や就労・留学など特定の目的ではビザが必要です。
往復または第三国への航空券入国審査時に提示を求められる場合があります。トランジットビザ免除を利用する場合は、第三国または地域への確定済み航空券が必須です。
入国カード中国の空港や機内で配布され、入国審査時に提出します。必要事項を事前に記入しておくとスムーズです。
宿泊先(ホテル等)の予約確認書入国審査時に提示を求められる場合があります。予約内容に氏名や滞在日程が記載されていることを確認しましょう。
海外旅行保険証任意ですが、万一のトラブルに備えて加入・証書の携帯をおすすめします。
指紋採取・顔写真撮影の紙片満14歳~70歳の外国人旅行者は、入国審査前に自動指紋採取機で取得した紙片を提示します。

このほか、必要に応じてパスポートやビザのコピー、過去の中国渡航歴がある場合はその証明書類などを用意すると安心です。

注意事項

  • 書類不備やパスポートの損傷があると入国を拒否される場合があります。
  • 入国カードの記入内容に誤りがあると、入国審査が長引くことがあります。
  • 最新の入国条件や必要書類は、中国大使館や航空会社の公式情報で必ず事前に確認してください。

これらの書類を準備しておくことで、中国入国時の手続きが円滑に進みます。

中国入国審査の流れとポイント

中国入国審査の流れとポイント

入国審査の手順

中国入国審査の手順は、到着空港での案内に従い、スムーズに進めることがポイントです。以下の流れで進行します。

STEP1. 指紋採取・写真撮影

飛行機到着後、到着エリアに進み、まず「外国人信息采集」エリアで指紋採取と顔写真の撮影を行います。これは満14歳~70歳の外国人旅行者全員が対象で、設置された機械で両手の指紋登録と顔写真の撮影を済ませると、紙片が発行されます。この紙片は入国審査で必要となるため、紛失しないように注意してください。

STEP2. 審査官による確認

次に、入国審査カウンター(Visitors/外国人用)に並びます。ここで入国審査官に、パスポート、入国カード(ARRIVAL CARD)、指紋採取時に受け取った紙片を提示します。ビザ免除措置を利用する場合でも、これらの書類は必ず必要です。

審査官からは、入国目的や滞在日数、出国予定、滞在先などについて質問される場合があります。また、帰国または第三国行きの航空券や宿泊予約確認書、十分な滞在費の証明の提示を求められることもありますので、あらかじめ手元に用意しておくと安心です。

パスポートカバーは事前に外しておき、書類はすぐに提示できるよう準備しましょう。審査が完了すると、入国スタンプが押されます。自動化ゲートを利用する場合、スタンプが押されないため、必要な場合は係官に申し出てください2

これらの手順を守ることで、中国入国審査をスムーズに通過できます。

よくある質問とトラブル事例

  • 渡航目的(観光、ビジネス、親族訪問など)
    「訪問の目的は何ですか?」といった基本的な質問が多く、観光なら「sightseeing」、ビジネスなら「business」と簡潔に答えます。
  • 滞在日数
    「何日間滞在しますか?」と聞かれるので、予定している日数を答えます。
  • 滞在先(ホテル名や住所)
    「どこに滞在しますか?」と聞かれるため、ホテルの予約確認書や住所を提示できるようにしておくと安心です。
  • 復路または第三国への航空券の有無
    特にトランジットや短期滞在の場合、出国予定の航空券を提示するよう求められることがあります。
  • 入国歴や過去の中国滞在歴
    一部の国(例:トルコ等アジア・中東諸国)への渡航歴について質問されることがありますが、そのことのみを理由に入国拒否されることは基本的にありません。

トラブル事例と注意点

  • 書類不備による審査遅延・入国拒否
    パスポートの有効期限不足、入国カードの未記入、ビザや航空券の提示忘れなど、必要書類が揃っていない場合は審査が長引いたり、最悪の場合入国を拒否されることがあります。
  • ビザ免除の条件未確認
    ビザ免除措置の対象外となる目的(就労・留学・取材報道など)で入国しようとした場合、入国が認められません。
  • 入国歴に関する質問
    特定国への渡航歴がある場合、入国審査官から目的や詳細を尋ねられることがあります。正直に答えることが重要です。
  • 指紋採取・顔写真撮影のトラブル
    14歳~70歳の外国人は必ず指紋採取と顔写真撮影が必要です。機械の操作に戸惑う場合もありますが、日本語音声案内があるため落ち着いて対応しましょう。
  • 言語の壁
    中国語や英語での質問が不安な場合、予約確認書や航空券などの書類を見せて対応することも可能です。最近は自動通訳機や日本語表示の案内も増えています。

その他のポイント

  • 入国審査の拒否理由は原則として明かされませんが、テロ情勢や国際的なイベント開催時などには審査が厳格化されることがあります。
  • 未成年者も成人と同じ条件で審査を受けます。
  • 普通旅券以外(臨時・緊急旅券など)はビザ免除の対象外です。

これらの質問やトラブル事例を事前に把握し、必要書類を準備しておくことで、中国入国審査をスムーズに通過できます。

入国審査での注意点

中国入国審査での注意点は、スムーズな入国とトラブル回避のために重要です。まず、パスポートの残存有効期間が6か月以上あることを必ず確認してください。パスポートの有効期限が不足している場合、入国を拒否されるリスクがあります。

入国審査時には、パスポート、入国カード、航空券(帰国または第三国行き)、必要に応じてビザや宿泊予約確認書などの書類をすぐに提示できるよう準備しておきましょう。満14歳~70歳の外国人旅行者は、事前に指紋採取と顔写真の撮影が必要です。このとき発行される紙片も忘れずに持参してください。

審査官から渡航目的や滞在日数、滞在先、帰国便の有無などについて質問される場合があります。必要書類を手元に用意し、正確かつ簡潔に答えることが大切です。また、入国目的がビザ免除の条件(商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問)に該当しない場合や、滞在期間が30日を超える場合は、事前に適切なビザを取得している必要があります。

健康申告は2023年11月以降不要となっていますが、発熱や咳など感染症の症状がある場合は、税関で申告し指示に従ってください。また、黄熱流行国からの渡航者はイエローカード(黄熱予防接種証明書)が必要となる場合があります。

入国審査場では案内に従い、列に並ぶ際も書類をすぐに提示できるようにしておくとスムーズです。自動化ゲートを利用した場合、入国スタンプが押されないため、必要な場合は係官に申し出てください。

中国ビザ申請の方法と必要書類

申請手順の全体像

中国ビザ申請の手順は、2025年現在、オンライン申請の導入や手続きの簡素化により、以前よりもスムーズになっています。申請の全体像は以下の通りです。

まず、渡航目的に応じたビザの種類を確認し、それぞれに必要な書類を準備します。主な書類には、有効期間が申請日から6か月以上残っているパスポート(査証欄に余白ページが必要)、パスポートの顔写真ページのコピー、規定サイズ(48mm×33mm)の証明写真、記入・署名済みのビザ申請書などが含まれます。

次に、ビザ申請書は中国ビザ申請センターのウェブサイトでオンライン作成し、全項目を入力した後に印刷し署名します。オンライン申請は2020年から導入され、2024年5月にはウェブページがリニューアルされました。

書類が揃ったら、中国ビザ申請センターや指定の領事館へ直接持参して提出します。郵送や完全オンラインでの申請はできません。2023年12月以降、事前のオンライン予約は不要となり、手続きがさらに簡素化されています。

申請時には申請料金を支払い、必要に応じて指紋採取や面接が行われます。ただし、2024年9月2日から2025年12月31日までの間、180日以内の短期ビザ(シングルまたはダブルビザ)申請者は指紋採取が免除されています。

審査期間は通常4~6営業日程度で、申請時に受け取った受領証を持参し、ビザが貼付されたパスポートを窓口で受領します。

このように、中国ビザ申請は「必要書類の準備→オンライン申請書の作成・印刷→窓口で提出・料金支払い→審査→パスポート受領」という流れで進みます。

各種ビザごとの必要書類とポイント

中国のビザは、渡航目的や滞在期間によって多様な種類が用意されています。目的に合ったビザを選択し、規定の範囲内で活動することが重要です。中国ビザの種類ごとに必要書類と申請時のポイントをまとめます。主なビザには観光(L)、商務(M)、交流・訪問(F)、就労(Z)、家族訪問(S/Q)などがあり、それぞれ提出書類や注意点が異なります。

観光ビザ(Lビザ)

観光や友人訪問を目的とする短期滞在者向けのビザです。一般的に一回の滞在期間は最大90日まで認められています。

  • 必要書類
    • パスポート原本(有効期限6か月以上、査証欄余白2ページ以上)と顔写真ページのコピー
    • 証明写真(6か月以内撮影、48mm×33mm、白背景)【写真規格は厳格】
    • ビザ申請書(オンライン作成・署名)
    • 往復航空券またはeチケット控え
    • ホテル予約確認書(ホテル名・住所・電話番号・日程・申請者全員の名前が記載されたもの)
      ※知人宅滞在の場合は招聘状と発行者の身分証コピー
  • ポイント
    • 書類不備や写真規格違反は審査遅延や却下の原因となるため、最新規定を必ず確認。

商務ビザ(Mビザ)

商談や商業貿易活動など、ビジネス目的で中国を訪れる場合に必要です。Mビザは中国国内での就労を目的としたものではなく、商用活動や技術指導などに限定されます。

  • 必要書類
    • パスポート原本およびコピー(有効期限6か月以上、余白2ページ以上)
    • 証明写真(6か月以内、48mm×33mm、白背景)
    • ビザ申請書
    • 中国国内の取引先等からの招聘状または商務活動関連の書類
      ※招聘状には申請者情報、訪中目的、滞在期間、訪問地、招へい機関情報、署名・印が必要
  • ポイント
    • 招聘状の内容が不十分な場合や、申請目的と実際の活動が異なる場合は却下されることがある。

交流・訪問ビザ(Fビザ)

学術交流や現地調査、視察など、非営利活動を目的とした渡航者向けです。利益を伴わない活動が対象となり、ビジネス活動や就労は認められていません。

  • 必要書類
    • パスポート原本およびコピー(有効期限6か月以上、余白2ページ以上)
    • 証明写真(6か月以内、48mm×33mm、白背景)
    • ビザ申請書
    • 中国国内の関係機関または関係者からの招聘状
      ※招聘状には申請者情報、訪中理由、滞在期間、招へい機関情報、署名が必要
  • ポイント
    • 招聘状の内容や発行元の信頼性が審査のポイントとなる。

就労ビザ(Zビザ)

中国で就労するために必要なビザです。日本企業の駐在員や現地採用者などが取得します。入国後には「外国人工作許可証」や「外国人居留許可」の取得も必要です。

  • 必要書類
    • パスポート原本およびコピー(有効期限6か月以上、余白2ページ以上)
    • 証明写真(6か月以内、48mm×33mm、白背景)
    • ビザ申請書
    • 「外国人就業許可通知」など、就労先からの必要書類
  • ポイント
    • 入国後30日以内に現地公安機関で居留許可の申請が必要。招聘状の代わりに就業許可通知等が必須。

家族訪問・親族ビザ(S1/S2/Q1/Q2ビザ)

Qビザは中国国籍者や永住権保持者の親族が訪問する際に必要です(Q1は180日以上、Q2は180日未満)。Sビザは中国で働く外国人の家族などが対象で、S1は180日以上、S2は180日以内の滞在となります。

  • 必要書類
    • パスポート原本およびコピー(有効期限6か月以上、余白2ページ以上)
    • 証明写真(6か月以内、48mm×33mm、白背景)
    • ビザ申請書
    • 招聘者(中国在住の家族等)からの招聘状
    • 招聘者のパスポート・居留証コピー
    • 申請者と招聘者の家族関係証明書(戸籍謄本、結婚証明書など)
  • ポイント
    • 滞在期間によってS1/S2、Q1/Q2を使い分ける。招聘状・家族関係証明の内容不備に注意。

共通の注意点

  • すべてのビザでパスポートの有効期限・余白ページ、証明写真の規格、申請書の記載内容に細心の注意を払うこと。
  • 招聘状はFAXやPDFでも可だが、必要事項の記載・署名・発行元情報が正確であることが求められる。
  • 申請内容や目的に応じて追加書類を求められる場合があるため、最新の大使館・領事館情報を必ず確認すること。

このように、ビザの種類ごとに必要な書類やポイントが異なるため、申請前に必ず目的に合った最新情報を確認し、書類不備のないよう準備しましょう。

ビザ申請時の注意事項とQ&A

申請時の主な注意事項

パスポートの有効期限

申請時点で6か月以上の有効期間が必要です。パスポートの残存期間が不足していると申請自体が受理されません。

航空券の購入タイミング

ビザ取得前に航空券を購入する必要はありません。ビザ発給が確定する前に航空券を購入し、発給されなかった場合はキャンセル料などのリスクが生じるため、取得後に航空券を手配するのが安全です。

申請窓口の管轄地域

中国ビザ申請は、居住地を管轄する大使館や総領事館、ビザセンターでのみ受け付けています。例えば、千葉県在住者は東京の中国大使館、大阪府在住者は大阪の総領事館が窓口となります。地方在住者は必ず自分の管轄を事前に確認してください。

書類の不備や記入漏れ

申請書や必要書類に不備や記入漏れがあると、手続きが遅延したり却下されたりすることがあります。すべての書類を一度で提出できるよう、事前にしっかりと準備しましょう。

オンライン申請と予約

2023年12月以降、オンラインでの事前予約は不要となりましたが、申請書はオンラインで作成・印刷し、署名したうえで窓口に持参する必要があります。

代行申請について

原則として本人申請ですが、健康上の理由等でやむを得ない場合は、必要書類と本人署名の申請書を揃えれば代理申請も可能です。

緊急・人道ビザ

緊急事態や人道上の理由(親族の危篤・死亡など)がある場合、予約免除の優遇制度がありますが、必要書類の免除はありません。すべての必要書類を揃えて申請してください。

よくあるQ&A

Q:ビザ申請は旅行会社を通す必要がありますか?

A:個人でも申請可能です。旅行会社を通す場合は、手数料や受付可能地域を事前に確認しましょう。

Q:申請書類の提出や受領を他人に委託できますか?

A:原則本人ですが、健康上の理由がある場合などは代理人による申請も認められます。その際は必要書類と本人署名の申請書が必須です。

Q:中国国内からビザ申請はできますか?

A:できません。中国国外のビザ申請センターでのみ申請可能です。中国にいる場合は一度出国し、他国で申請してください。

Q:滞在期間を延長したい場合は?

A:やむを得ない事情(悪天候による帰国便欠航や急病など)がある場合、滞在地の公安局で延長申請が可能です。証明書類(航空会社の欠航証明や病院の診断書など)が必要です。

Q:申請窓口への電話がつながらない場合は?

A:対応スタッフの数に限りがあり、電話がつながりにくいことがあります。メールでの問い合わせの方が回答を得やすい傾向があります。

中国入国カードの記入方法と提出タイミング

入国カードの役割と必要性

中国入国カードは、外国人が中国に入国する際に必ず提出しなければならない書類であり、入国審査の際に本人確認や入国目的、滞在先などの基本情報を当局に伝える重要な役割を担っています。このカードには、氏名、国籍、生年月日、パスポート番号、搭乗便名、滞在先住所やホテル名、訪問予定都市、入国目的、ビザ番号(ビザ免除の場合は「Visa-Free」にチェック)などを記入します。

入国カードの必要性は、入国審査官が渡航者の身元や入国目的、滞在先を確認し、不法滞在や違法行為を未然に防ぐためです。全ての渡航者が対象で、ビザ免除措置を利用する場合も提出が義務付けられています。カードは機内や空港で配布され、入国審査時にパスポートとともに提出します。このように、中国入国カードは、円滑かつ適正な入国手続きを進めるために不可欠な書類です。

記入例と注意点

中国入国カードの記入例と注意点は以下の通りです。

まず、記入例としては、すべての項目をパスポート通りのローマ字や数字で正確に記載します。姓・名はパスポートと同じローマ字表記、生年月日は西暦(YYYYMMDD)で記入します。性別は該当する欄にチェックを入れ、国籍は「JAPAN」または「日本」と記載可能です。パスポート番号、搭乗便名(例:JL081)、電話番号(日本の携帯の場合は先頭の「0」を取って「+81」を付ける)、訪問予定都市、滞在先住所やホテル名・都市名も記入します。ビザを取得している場合はビザ番号を、ビザ免除の場合は「Visa-Free」や「免签」にチェックを入れ、ビザ番号欄は空欄で構いません。

裏面には、中国出国時の航空券予約の有無や出国日・便名、中国国内の受入先や連絡先、過去2年間の渡航歴などを記入する欄があります。該当しない場合は「否」にチェックを入れ、必要な場合のみ詳細を記載します。

注意点としては、以下の通りです。

  • 入国カードは英語または中国語で記入し、混在も問題ありません。
  • 記入内容はパスポートと完全に一致させること(特に氏名・パスポート番号)。
  • 日本の携帯番号は「+81」形式で、最初の「0」を省略して記入します。
  • 滞在先や便名は事前にメモしておくと、空港で慌てずに記入できます。
  • ビザ免除の場合は必ず「Visa-Free」や「免签」にチェックし、ビザ番号欄は空欄にします。
  • 記入漏れや誤記があると入国審査で時間がかかる場合があるため、すべての欄を丁寧に記入してください。
  • 入国カードの様式は予告なく変更されることがあるため、最新の記入例を事前に確認しておくと安心です。

このように、正確かつ丁寧な記入と、最新情報の確認が中国入国カード記入のポイントです。

入国カードが不要なケース

中国入国カードが不要となるケースは、2025年5月時点では基本的に存在しません。2024年11月30日から2025年12月31日までのビザ免除措置が実施されている期間であっても、日本国籍を含む対象国の一般旅券保持者が30日以内の短期滞在(観光、商業・貿易、親族訪問、交流・訪問、トランジット)で中国に入国する場合、入国カードの提出は引き続き必要です。

一方、トランジットビザ免除制度(240時間以内の乗り継ぎ滞在など)を利用する場合も、入国時には通常通り入国カードの記入・提出が求められます。

ただし、入国カードが不要となる特例や制度変更が将来的に実施される可能性もあるため、最新の中国大使館や航空会社、現地空港の案内を必ず事前に確認してください。現時点では、ビザ免除やトランジットビザ免除の利用者も含め、すべての外国人渡航者が中国入国時に入国カードを提出する必要があります。

中国大使館・総領事館について

中華人民共和国駐日本国大使館

住所:〒106-0046東京都港区元麻布3-4-33

電話番号:03-3403-3388

http://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/

中国ビザ申請センター(東京)

住所:東京都江東区有明3-7-26 有明フロンティアビルB棟12階

電話番号:03-3599-5515

まとめ:安全でスムーズな中国入国のために

本記事では、中国のビザに関する最新情報を整理するとともに入国審査に必要な書類やプロセスについて解説しました。ビザ免除により中国への入国要件は大幅に緩和されましたが、それでも不慣れな方にとっては色々と確認すべき事項があります。スムーズな出張・入国を実現するためにも、中国大使館等にて最新情報を確認のうえ、しっかりと事前準備を行いましょう。

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